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"node"

"node"
日程
2022.10.8(土)~11.13(日)
時間
12:00-18:00
休み
月曜日、火曜日
料金
無料
会場
204:Gallery KIDO Press

アーティスト:土屋 裕介

「node」、その複数的散乱―土屋裕介の人物像について

900℃以下の温度での焼成が繰り返され、人肌のように柔らかな質感を全身に纏う土屋裕介の人物像。近年では、素焼きの後に透明釉や色ガラス等が用いられ、低温ゆえのそれら表面への定着の不完全さが、存在としての虚ろさを私たちに強く印象付けてきた。作品の周到な設計をあえて留保し、己の触覚と視覚にその多くを委ねることで辿り着く、具象と抽象という二つの領域を彷徨い形を成す制作手法は、その特異な人物表現において、意識的に選び取られてきたものだ。つまり、ここ数年の土屋の彫刻制作は、人間という存在の不確かさにその全てが捧げられてきたと断言してよい。
交わりを持つ結節点を示す「node」を、タイトルに掲げる本展において、土屋が目論むのは境界線を有さない「中間の場所」の創出である。それは、複数の固有の対象が内と外の境を溶解させ、曖昧さを保持する「余白」に満たされた場ともいえる。人間の像(イメージ)の集積であり、かつ空虚を内在する土屋の彫刻は、鑑賞者が見つめるその先に過去の記憶や感覚を投影するための「node」となって、無数の他者の視線を脆弱で繊細なその表面に受け止め、佇むことだろう。
 そのような作家の意識において、降り積もるように作用し、事物そのものを変性させる要素となる時間もまた欠かせないはずだ。何度も試みられる焼成、あるいは作家の関心から選ばれる古色を帯びた額縁といった制作過程や古物の作品への導入は、人間の身体という内側に「在る」ことを根拠付けることなく、むしろ外部へと開かれうる別の通路を観る者に指し示そうとしている。身体が断片と化すことで、外部空間へと移行、浸透し、「窓」と、さらには「鏡」として機能する額縁に収められた風景と身体が、時間を堆積させたその表層で重なり合う造形性は、内と外の曖昧な領域での様々な相互作用を誘発するのであり、人間という存在の複数的散乱と共振を、その空間に充溢させている。
森啓輔(千葉市美術館学芸員)


画像:「node」2022

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