<閉館のお知らせ>
3331 Arts Chiyodaは、2023年3月15日をもちまして閉館いたしました。

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千代田区地域振興部文化振興課文化振興係
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閉館に伴うスケジュールと施設利用について
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アキバタマビ 21 第100回展覧会「踏み倒すためのアフターケア」

アキバタマビ 21 第100回展覧会「踏み倒すためのアフターケア」
日程
2022.9.23(金・祝)~10.23(日)
時間
12:00-19:00
備考
金・土は20:00まで
休み
火曜日
料金
無料
会場
201/202: アキバタマビ21

<スケジュールに関するお知らせ>

アーティスト:上田哲也 加々見太地 Taka Kono 下大沢駿 平山匠

【展覧会コンセプト】

 場所が持つ文脈を表現に取り込む時、少なからず矛盾や困難が生じる。

 この展覧会に参加するのは、独り地方で制作する者、山を愛す者、不親切なギャラリーを運営する者、特定の地域を題材に制作する者、他者との対等な関係を模索する者、いずれも独自の場所と関わり続ける5人のアーティストである。
 特定の地域や、コミュニティ、自然環境など、表現が生まれる場所とその表現の関係を意識してみる。すると、場所固有のレギュレーションや、コミュニティへの不適応、場所に由来する他者の期待と表現の方向性の違いなど、矛盾や困難と直面する。それらを引き受けながら表現を成立させるためには、場所に由来する誰かの期待を、踏みにじりこそしないが踏み倒すことがあるのではないか。場所と表現は必ずしもギブアンドテイクの関係ではない。
 展覧会のタイトルである「踏み倒すためのアフターケア」とは、「表現と場所との関係の中で生じる矛盾や困難を引き受ける」ための「遅効性の還元要素」という意味である。またそれは、アーティストが、他者を尊重しながらもその理想に媚びずに済むように、そっと忍ばせる約束である。

 上田哲也は、中国北京の清華大学大学院に進学し、彫塑を学ぶ。アジア屈指の教育機関での伝統的な美術のあり様を目の当たりにし帰国後、現在は故郷の香川県で独り制作を続けている。常にアートにおける保守と革新の対立構造の板挟みにあってきた彼は、今も黙々と創作活動を続けている。
 加々見太地は、東京藝術大学大学院在籍中から、アラスカやヒマラヤの山々に赴くほどの登山家であり、彫刻という時間と手間のかかるメディアを愛好する。登山活動と親和性の高い写真表現に飽き足らず、共有不可能に思える圧倒的な自然体験を作品に還元する方法を模索している。
 Taka Konoは、NYのパーソンズ美術大学を卒業後、千葉県松戸市を拠点に、mcg21xoxoというギャラリースペースを運営している。国外のアーティストとの交流が多く、アンダーグランドな特徴をもつ彼の活動は、幾多のトラブルに見舞われながらも、人々の支持を得て展開されている。
 下大沢駿は、横浜市内の新興住宅地で育った自身の経験をもとに、都市計画が生む断絶を克服するため、都市計画における自然の人工性に着目している。東京藝術大学大学院修了後は千葉県内の新しくない地域に拠点を置き、ケーススタディとして様々な地域でニュータウン的要素を探している。
 平山匠は、自閉症の兄の存在をきっかけに、他者を理解するためのアートを追求している。東京藝術大学美術教育研究室を修了後、品川区にアトリエサロンコウシンキョクというスペースを設立し、展示やイベントを企画することで、流動的で変容可能なコミュニティを育んでいる。

 この展覧会では、5人のアーティストによる作品と展覧会テーマに対してのステートメントを提示し、会期中に行われるトークイベントを通して、場所の文脈を表現に取り入れることで生じる矛盾や困難をどのように作品が担うべきかを考察する。

(企画代表 下大沢駿)


【出品者 略歴】

○上田 哲也 UEDA Tetsuya
1994年生まれ
2018年 多摩美術大学彫刻学科 卒業
2020年 清華大学大学院 美術学院彫塑系 中退

香川県を拠点に活動。ブレイクダンスなどの身体表現をローテクな工業技術で用いて古典的な彫刻表現に組み込む作品を制作。首都東京を中心とする今日の日本の情報社会から取り残されたかのように、高齢化が進み公募団体世代の作家がマジョリティとなる地方社会において、黙々と若年カルチャーを題材としたコンテンポラリーアートの制作と実践を行っている。
主な展示に、「第84回新制作展」(国立新美術館/東京)、「第86回香川県美術展覧会」(香川県立ミュージアム/香川)

○加々見 太地 KAGAMI Taichi 
1993年生まれ
2018年 東京藝術大学彫刻学科 卒業
2020年 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻 修了

自身の身体で感じた世界や自然を通して、彫刻や写真を発表。登山活動にも力を入れており、ヒマラヤやアラスカでの登山を経験。人と自然との積極的な関わりに関心を持ち、自身の強烈な自然体験や、その周縁の文化や歴史を制作のテーマとしている。公益社団法人日本山岳会創立120周年記念事業ヒマラヤキャンプメンバー。
主な展示に、「雲ノ平山荘アーティストインレジデンス」(飛騨山脈/富山)、「しれとこ・森のポイエーシス」(知床国立公園/北海道)、「Diffusion of Nature」(The 5th Floor/東京)、「葦の芸術原野祭」(斜里町旧役場庁舎/北海道)

instagram.com/taichi.kagami/

○Taka Kono
1994年生まれ
2017年 パーソンズ美術大学 卒業

2020年に千葉県松戸市に立ち上げた、ギャラリースペースmcg21xoxo(エムシージートゥエンティーワンエックスオーエックスオー)を拠点に、アーティスト、ディレクターとして活動。店舗解体後そのままの空間を「未来において残骸と化したホワイトキューブ」と仮想して使用し、国内外の作家の作品を展示することで、展覧会とアーカイヴの関係性の見直し、構成された認識への実在的な問いかけを提案している。
主な展示に、「down4u」(Ritsuki Fujisaki Gallery/東京)、「ill omen 2」(CHURCH/コペンハーゲン[デンマーク])、「GARDEN OF DREAMS」(Plague Space/クラスノダール[ロシア])、「only only makes sense if there's nothing else」(darkZone/ニュージャージー[U.S.A])

https://takakono.com/

○下大沢 駿 SHIMOOSAWA Shun
1993年生まれ
2018年 多摩美術大学彫刻学科 卒業
2020年 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻 修了

思春期を横浜市内のニュータウンで過ごした経験から、合理性に基づき作られた環境は、そこに住む人々を過去から断絶し、作為的に作られた自然を日常化することを踏まえ、「アスファルト」の下に「土」があることを実感することを目標に、制作活動をしている。
主な展示に、「さよならプラタナス」(トモ都市美術館/東京)、「木曽山崎でヒッチハイク」(町田パリオ/東京)、「EXPOSITION ―来るべきアート」(銀座 蔦屋書店/東京)、「Artists in FAS 2019」(藤沢市アートスペース/神奈川)

https://www.shimoosawa.com/

○平山 匠 HIRAYAMA Takumi
1994年生まれ
2017年 東京造形大学彫刻学科 卒業
2020年 ゲンロン新芸術校第5期 修了 金賞受賞
2021年 東京藝術大学大学院美術研究科美術教育研究室 修了

小さな頃の自閉症を持つ兄との制作活動をきっかけに、美術の道を選択する。自己と他者のあいだに存在する様々な「違い」や「領域」をテーマに、陶や粘土を使ったオブジェからなるインスタレーションを主に制作し、言語領域を超越したコミュニケーションを可能とする美術表現を追求している。また、誰もがフラットでいられる場として、東京都品川区にアトリエ・サロン -コウシンキョク- を立ち上げ、運営を行っている。
主な展示に、「越後妻有 大地の芸術祭 2022」(ナカゴグリーンパーク/新潟)、「ザ・ビッグアンドハードネス」(BLOCK HOUSE&ソフトハウス/東京)、「三すくみんぐ」(元映画館/東京)、「手のひらと足の裏」(OZ gallery Studio/東京)

http://takumi-hirayama.site/


【展覧会詳細】
「踏み倒すためのアフターケア」 "The Aftercare in Order to Betray"
会期:2022年9月23日(金・祝)〜10月23日(日)
開場時間:12:00~19:00(金・土は20:00まで)
休場日:火曜
入場無料


【関連イベント】

●トークイベント「アートはまちを語るべからず?」

 ゲスト:高村瑞世(Token Art Center 代表)
 ファシリテーター:下大沢駿(展覧会企画代表、展覧会参加作家)
 日時:10月1日(土)16:00〜18:00

アート(アーティストあるいはアートプロジェクト)は地域を語っても良いのだろうか。創作活動の中で地域を対象化することは、多様な人々の生活の舞台である「まち」を我が物顔で論じるように、失礼にあたるのではないか。
長年アートプロジェクトの運営を行い、現在は東京都墨田区にて「Token Art Center」の代表を務める高村瑞世氏をゲストにお呼びし、展覧会出展アーティストとトークセッションを行う。アートを通じて地域社会と関わることが有意義であることを前提とした上で、すべての人々にアートがアプローチできるわけではないこと、そして時にアートは毒となりうることを踏まえ、「アートはまちを語るべからず?」なのか考察する。


●トークイベント「"地元"を踏み倒す」

 ゲスト:中島晴矢(アーテスト)
     長谷川新(インディペンデントキュレーター)
 ファシリテーター:Taka Kono(展覧会参加作家)、下大沢駿
 日時:10月8日(土)16:00〜18:00

出展アーティストの1人であるTaka Konoがディレクターを務めるギャラリーmcg21xoxo(エムシージートゥエンティーワンエックスオーエックスオー https://mcg21xoxo.com/)はJR常磐線松戸駅周辺の複数の場所で展開されている。
松戸駅前に位置するアーティスト・イン・レジデンス、PARADISE AIR(パラダイスエア)にゲストキュレーターとして関る長谷川新氏と、最近松戸市に引っ越してきたアーティスト中島晴矢氏をお呼びして、同じく松戸市在住の本展覧会企画代表の下大沢と共に、Taka Konoによるmcg21xoxoの活動を起点に、他愛のない松戸の話から、いわゆるニュータウンの話まで、様々なトピックをもとにトークセッションを行い、アーティストと地域の関係性について考察する。


●トークイベント「不自由なコミュニティ」

 ゲスト:宇川直宏(ライヴストリーミングスタジオ〈DOMMUNE〉代表)
 ファシリテーター:平山匠(展覧会参加作家)
 日時:10月22日(土)16:00〜18:00

「場所」⇒「コミュニティ」と捉えたとき、「表現と場所との関係の中で生じる矛盾」⇒「コミュニティへの不適応」と考えることが出来る。そして、それを引き受けるためのアフターケアとして、コミュニティに適応できない者たちが作り上げてきたオルタナティブの歴史が、これまでのアートに他ならない。この展示には、コミュニティ適応能力の不自由性をあぶり出し、他者と共有する側面がある。
多様な環境の中で様々な業界とクロスオーバーしながら、オルタナティブの最先端で流動的な活動を続けてきた、ライヴストリーミングスタジオ〈DOMMUNE〉の主催者として知られる宇川直宏氏をお呼びして、「コミュニティへの不適応」をキーワードに、宇川氏自身の活動の中で、時代と共に変容する場所/コミュニティに、どのように適応/不適応してきたのかを伺いながら、個々のアーティストとのトークセッションを行い、個別の作品に言及していくことで、この展覧会全体を紐解いていく。

※イベントについての詳細はウェブサイトをご覧ください。  
アキバタマビ21サイト:http://www.akibatamabi21.com/exhibition/220729.htm

当サイトには、入居している各団体が行う催事についての情報も掲載されています。
展覧会やイベントなどに関するお問い合わせは、各団体へお願い致します。

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