<スケジュールに関するお知らせ>
アーティスト:西垣肇也樹、ヨセフ・アハマド
カタールと日本外交関係樹立50周年を記念し、カタールミュージアムは二国間の永続的関係を強調するため、"紙の対話"展示会を日本で開催します。
この"紙の対話"展示会は紙作りと芸術的創造力を通して二国間の文化の対話を例示します。また、この展示会はカタール芸術家、ヨセフ・アハマドと日本芸術家、西垣肇也樹を結びつけた共同制作からの芸術的な類似点と関係性に焦点を当てます。
■キュレーター・アルミスナド博士によるイントロダクション
人類の文化的慣習において、紙に文字を書くという行為は大きな役割を果たして来ました。日本は何世紀にも渡り、書道と共に紙作り技術を確立した国々の中でも最先端にいます。その紙に文字を書くという行為は日本人の生活において中心的存在であり、畏敬の念を持たれるまで、日本の和紙は日本文化の象徴と考えられています。
この主題の重要性は、著名なカタール人芸術家、ヨセフ・アハマドにも影響を与えました。彼は紙作り業への興味から、広範囲で詳細な研究と実験を自分自身で手作業で行うようになりました。そしてこの研究から、アラビア文化またはイスラム文化でもまた固有に位置づけられているヤシの木を使うという作業に至りました。ヤシの木は、広く恵みの木と考えられており、多くの人々や社会に多岐にわたる恩恵をもたらしていると知られています。その重要性と道徳的価値感に加えて、ヨセフ・アハマドはその葉から紙を作るというもう一つの価値感を与えました。また彼は、その紙上に描いた絵に、アラビア文字を視覚的構成として組み込みました。これは、日本の紙と書道に対する関心と同一です。この事がカタールと日本、二国間の橋渡しになっています。
この展示会の準備は3月18日から31日までカタールでの共同制作から始まりました。カタールミュージアムは、ヨセフ・アハマドの工房で作業する為、西垣肇也樹を招待しました。二人の芸術家は手作業での紙作りを共同で実践し、たくさんの共同作品または個別作品を完成させました。この共同制作では、カタールのヤシの木の葉を使用した生地と日本のコウゾ原料が使われました。この紙作り制作の過程で、二人の芸術家が共同でカタールのヤシの葉の生地とコウゾを混ぜる作業もありました。最終的に、二人は新しく作られた紙を活用し、アラビア文字と日本文字を美的要素として加え、共同作品を制作しました。この創造力を駆使した経験は、カタールと日本二国間の文化における継続的な繋がりと協力関係を反映しています。
■西垣肇也樹 略歴
芸術祭のあり方を芸術からではなく、銭湯を取り巻く環境の双方で捉え直した『京都銭湯芸術祭』の企画出展や、敗戦国日本人の器としてのゴジラを、山水や円相などの日本古来の手法を使って水墨で描くなど、領域を横断しながら表現の可能性を探る。2015年より京都伏見区にある「STUDIOHAIDENBAN」を拠点に活動する。
当サイトには、入居している各団体が行う催事についての情報も掲載されています。
展覧会やイベントなどに関するお問い合わせは、各団体へお願い致します。