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3331 GALLERY #041 3331 ART FAIR recommended artists 平野真美 個展「変身物語 METAMORPHOSES」

3331 GALLERY #041 3331 ART FAIR recommended artists 平野真美 個展「変身物語 METAMORPHOSES」
日程
2021/1/8(金)〜2/13(土)
備考
1/8(金)18:00-19:00 アーティストトーク/19:00-20:00 レセプション *無料/予約不要。2/13(土)15:00-16:00 クロージングトーク 「高橋洋介(金沢21世紀美術館 キュレーター)×平野真美(アーティスト)」 *無料/要予約
時間
11:00-19:00
備考
※最終日2月13日(土)は17:00まで
料金
無料
会場
1F 3331 Gallery

3331 ART FAIR 2020でレコメンドアーティストに選出された平野真美による個展「変身物語」を開催いたします。
平野真美は、骨格や皮膚、血管など生物の身体を構成するあらゆる部位を物理的に制作することで、実在しない空想上の生物や瀕死の生物などを人工的に再現し作品にしてきました。幼少の頃から周囲に様々な物語が溢れ、物語に登場する不思議な生き物との優しい関係を築いてきた平野は、大人になるにつれ、幼い頃信じていた架空の生き物たちが実際には存在しないと知り、制作を通して不在の生物の保存・再現を目指すようになります。本展では、5年程前に亡くなった平野の愛犬の遺骨を3Dスキャンし、繊細なガラスや陶器へと変容させ、新しい生を与えていきます。作品は作家の個人的な体験や感情から生み出されていきますが、現代のテクノロジーの力を得て、生と死という根源的なテーマに問いを投げかけているかのようです。わたし達が気づかぬうちに失った夢や希望・幻想を蘇生させる平野が紡ぎ出す「変身物語」を、ぜひご高覧ください。

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作家の言葉
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5年間の闘病の末2015年に亡くなった愛犬の遺骨は、火葬の後に納骨せず、未だ実家の居間に置いてある。火葬の時、家族と触れたあの小さく美しい遺骨をもう一度見たいが、骨壷の中には辛くも幸せだったあの時間の空気が詰まっているようで、その蓋を開けることはできなかった。開けてしまえば、あの時間を失って二度と戻れないだろう。

私は2018年のある日、骨壷が入った骨箱ごとCTスキャンを撮ることにした。
スキャンデータを元に遺骨の3Dデータを作成し、3Dプリンタで出力する。出力した樹脂製の遺骨を型取りし、様々な素材に変身させる。例えば硝子に、例えば陶磁に。
その記憶も何もかも、死を境に失うものばかりだった死者に纏わる一切が、これを機に増幅していく。様々な素材に触れ美しさをそのままに変容する姿を見て、私は私自身の変化も受容できるように思えた。

現代の葬制は死を日常生活から遠ざけ、やがて死者は社会に実在しなくなった。
重い墓石のなか、骨壺のなかに覆い隠された死者を、私の葬法で繰り返し変身させ、私は死者を失わない。その変身の過程を見せる物語である。

ー平野真美

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1989年 岐阜生まれ
2014年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端藝術表現専攻修了
2018年 「アーティスト・イン・ミュージアム 平野真美Meets岐阜県立岐阜盲学校」、岐阜県立岐阜盲学校、岐阜
2018年 「アーティスト・イン・ミュージアム 平野真美Meets岐阜県立岐阜盲学校」、岐阜県美術館、岐阜
2018年 「2018年のフランケンシュタイン バイオアートにみる芸術と科学と社会のいま」、EYE OF GYRE、東京
2019年 「メディアコスモス新春美術館2019」、みんなの森 ぎふメディアコスモス、岐阜
2019年 「セカンド・フラッシュ」、岐阜県美術館、岐阜
http://hiranomami.net

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推薦者の言葉
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平野真美の作品は、いつも死と向き合い、それに抗うことで、我々が今をいかに生きるのかを指し示してきた。

犬種特有の脳炎に罹り、死に近づいていく寝たきりの愛犬を、限りなく正確に保存しようとした代表作「保存と再現」(2014)は、骨から筋肉や皮膚までを樹脂やシリコンで精巧に模倣し、撫でた時の感触や呼吸、体温すら再現した作品だった。生活のほとんどを捧げるかのような時間をかけ、緻密な作業を積み重ねてできた愛犬の複製には、切実な「蘇生」への願いが脅迫的なまでに込められていた。平野が大好きな飼い犬を「彼女」という人間と同格の3人称で語り、家族だと言い切るという意味でも、この作品には、人間に使役される家畜や慰み物としてのペットとはまったく違う関係性が立ち現れていたと言えるだろう。

「保存と再現」が死にゆく他者を現世になんとか留めようとする蘇生の儀式であったとするなら、今回の個展「変身物語」は、その続編として、愛するものの死をいかに失わずにいられるのかが模索されている。本作において平野は、愛犬の遺骨を3Dスキャンし、古代メソポタミアで使われていたガラス鋳造法「パートドヴェール」によって、死者にまつわる物質と記憶を、美しいものとして増殖させようとする。

現代が「死」を必要以上に忌み嫌い、かつてもっていた死者との親密な交流を喪失していることを、かつてフランスの歴史学者のフィリップ・アリエスは「タブー視された死」と呼んだ。今や「死」は、生きやすく幸福で便利で効率的な生活を阻むものとして、郊外の墓地など人目のつかない場所に隔離され、古代において神格化された動物でさえ、その死は、人間の死よりも卑賤なものへと変わった。しかし、平野は、新作において、死を忌むべきものや穢らわしいものではなく、親しいものとして取り戻そうとする。死と生が継ぎ目なく循環する自然界に「死」は本来存在せず、「死」は人間が歴史的につくり上げてきた概念に過ぎないという意味では、平野は本作を通して、現代にふさわしい「死」を再発明するよう私たちに促すだろう。

それは、理性や利害では理解できない死んだ動物との関係性を、資本主義や科学主義によって非合理なものがなくなった現代の都市生活の中にもう一度持ち込もうとする試みとも言える。平野が前作と本作によって紡ぐ物語は、奇しくも、遺伝的疾患が出やすい犬種そのものが、「犬」という生きた商品を売るために品種改良で作出されてきた歴史と、獣医療やペットフードといった伴侶種の「生きる権利」が資本主義の中で獲得されてきた歴史を暗示する。そしてそれは、私たちが人間以外の生きるものに対して、どのような敬意を払えるのかを問いかけるものになるだろう。

ー高橋洋介(金沢21世紀美術館キュレーター)

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1985年東京都出身。金沢21世紀美術館キュレーター。東京藝術大学大学院美術研究科修了。「未来と芸術」展(2019-2020、森美術館)バイオアート作品解説および遺伝子組換え体生体展示法務担当。主な企画に「DeathLAB: 死を民主化せよ」(2018-2019、金沢21世紀美術館)、「2018年のフランケンシュタイン」(GYRE、2018)など。主な講演に「超人間中心主義のルネサンス」(東京大学、2015)など。共著に「SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて」(2019、BNN新社)など。専門は、ポストヒューマン美学および超人間中心主義の芸術。

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関連イベント
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①2021年1月8日(金)18:00 - 19:00 アーティストトーク/19:00 - 20:00 レセプション ※無料/予約不要
本展初日に、本展アーティストの平野真美によるアーティストトークを行います。トークの後はささやかなレセプションを実施いたします。ぜひご来場ください。

②2021年2月13日(土)15:00 - 16:00 クロージングトーク「高橋洋介(金沢21世紀美術館 キュレーター)×平野真美(アーティスト)」 ※無料/要予約
3331 ART FAIR 2020において平野真美を参加アーティストにご推薦いただいた金沢21世紀美術館キュレーターの高橋洋介氏をゲストにお招きし、対談形式のクロージングトークを行います。高橋氏はポストヒューマン美学および超人間中心主義の芸術を専門とし、「DeathLAB: 死を民主化せよ」展(2018-2019、金沢21世紀美術館)や「2018年のフランケンシュタイン」展(GYRE、2018)を企画。2019-2020年に森美術館で開催された「未来と芸術」展でもバイオアート作品の展示解説に携わるなど、これからの活動を嘱望されるキュレーターの1人です。本クロージングトークでは、今回の個展「変身物語」を振り返りながら、バイオアートほかこれからの時代の表現の現在地と未来について、それぞれの視点からお話いただきます。

>ご予約はこちらから https://artsticker.app/


【主催・お問い合わせ】
アーツ千代田 3331(展覧会担当:彦根/広報担当:稲葉)
TEL:03-6803-2441(代表)/FAX:03-6803-2442
EMAIL:info(at)3331.jp(代表)/pr(at)3331.jp(プレス)
*(at)を@に変えて送信してください。 

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