<閉館のお知らせ>
3331 Arts Chiyodaは、2023年3月15日をもちまして閉館いたしました。

<ちよだアートスクエア(旧3331 Arts Chiyoda)へのお問い合せ>
千代田区地域振興部文化振興課文化振興係
TEL:03-5211-3628
bunkashinkou@city.chiyoda.lg.jp

<合同会社コマンドAへのお問い合せ>
合同会社コマンドA
〒101-0021 東京都千代田区外神田6-12-5 長谷川ビル2F
TEL:03-6803-2441
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閉館に伴うスケジュールと施設利用について
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3331 GALLERY #039 3331 ART FAIR recommended artists 宮北裕美 個展「分身」

3331 GALLERY #039  3331 ART FAIR recommended artists 宮北裕美 個展「分身」
日程
2019年11月16日(土)~2019年12月15日(日)
備考
【11/16(土)18時〜20時:オープニングパフォーマンス(ゲスト・鈴木昭男)、オープニングパーティー】【12/13(金)19時〜20時:クロージングトーク(ゲスト・相馬千秋×宮北裕美)】
時間
11:00-20:00
料金
入場無料
会場
1F 3331 Gallery

<スケジュールに関するお知らせ>

3331 ART FAIR 2019でレコメンドアーティストに選出された宮北裕美による個展「分身」を開催いたします。

ダンサー・アーティストの宮北裕美は、人やモノ、場の気配や音、光、匂い、リズム、軌跡など私たちを取り巻くあらゆるものに宿る身体性や固有性を、ダンサーならではの視点で丁寧にすくい取っていきます。その行為は、「そこに在ること」に私たちの意識をいざない、見えない景色を現前させるかのようです。

近年では、映像、ドローイング、インスタレーションなどへ表現を変換し、しなやかな腕を伸ばし大きな弧を描くように活動の領域を広げてきました。空間や時間との"即興的なダンス"による映像作品など、日常の隅々に潜む身体性を呼び覚ます本展をぜひご高覧ください。

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関連イベント(予約不要・参加無料)
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▶︎11月16日(土)18:00〜20:00 オープニングパフォーマンス&オープニングパーティー
パフォーマンス ゲスト:鈴木昭男(サウンド・アーティスト)
日常にある素材を使ったパフォーマンスを発表します。上演後、かたちや状態が変化するそれらのオブジェは、どのような存在として現れるのでしょうか。パフォーマンスで用いたオブジェは「動かないダンス」と題した作品として、会期中展示します。

▶12月13日(金)19:00〜20:00 クロージングトーク
ゲスト:相馬千秋(NPO法人芸術公社 代表理事/アートプロデューサー)
国際舞台芸術祭「フェスティバル/トーキョー」初代プログラム・ディレクター (F/T09春~F/T13)であり、今年開催された「あいちトリエンナーレ2019」では舞台芸術のキュレーターを務めるなど、国内外でさまざまなプロジェクトを手がけるアートプロデューサー・相馬千秋氏をゲストにお迎えし、宮北裕美と対談形式のクロージングトークを行います。今回の個展「分身」を振り返りながら、演劇、ダンス、パフォーミング・アーツ、美術、映像、パフォーマンス・アートなどあらゆる領域を横断する身体表現の現在地とこれからについて、それぞれの視点からお話いただきます。

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身の回りの「モノ」や「できごと」からダンスを見つける
机の上に置かれたコップを観察すると、用途を問う前にモノそのものの存在に気付かされます。自分の身体を同じように観察し、人がそこに在るってどういう ことなのだろうと探りますが、自分の特徴を取り払おうとすればするほど、私のダンスには私が浮かび上がります。削ぐことを恐れずに進めても残ってしまう それを私は芸術と呼ぶことにして、そこにたどり着きたくて「立つ、歩く、座る」と言ったシンプルな動作(動かないダンス)を見出しました。そのようなダンスを町や自然の風景の中に置くことで、その場所の持つ固有性を引き出し小さなドラマを作り上げています。そして日常にあるモノや自然現象を観察していたら、暮らしの中で身近にあるものはすべてダンスをしていて、美しい線やパターンを生み出していることが見えてきました。身の回りのすべてが踊っている こと(モノそのものの動き)を発見し、振付家がダンサーに振付けるのと同じ感じで、身近な物に踊ってもらうようになりました。

新作について
2019年6月にデンマークのMøn島に滞在しました。約1ヶ月間過ごしたVilla Gressは森の中にあり、鳥のさえずりや嵐の音だけが耳に届き、世界から少しだけ隔離されたような気持ちになりました。北欧の夏は夜が短く、森の生活で不思議な感覚が作用したのか、カメラと遊ぶうちに、面白い現象に立ち会うことになったのです。パフォーマンスは形が残らず消えてゆくので、流れる時間を再生できるビデオという媒体を通して、パフォーマンスをしている時の感じをなんとか留めてみようとしました。「分身」という私の表現を説明するシンプルな言葉が見つかり、展覧会の方向性が決まりました。

ー 宮北裕美(ダンサー、アーティスト)

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イリノイ大学芸術学部ダンス科卒業。「動かないダンス」と「モノそのものの動き」を追い続けてゆくうちに、即興パフォーマンスや視覚芸術の可能性を探り始める。劇場、美術館、鉄道、公園など各地でサイト・スペシフィックなパフォーマンスを上演。2012年よりインスタレーションを手がけるようになり、個展「Motion / Clip」(BLOCKHOUSE、東京、2018)、映像作品「Drift」(ArtisTree、香港、2018)など身近なモノの動きをダンスと捉えた作品を発表している。音楽家との協働も多く、振付家の視点からスコア(楽譜)を提案するパフォーマンス作品などジャンルを超えた表現活動を続ける。

兵庫生まれ
1997年 イリノイ大学芸術学部舞踊科卒業
2013年「Soul Cleansing」、Sin Sin Fine Art、香港(中国)
2015年「Permanent Red」、MediaShop、京都
2016年「point A ⇄ point B」、ozasahayashi_project、京都
2018年「Motion / Clip」、BLOCK HOUSE、東京
2018年「NOTATING BEAUTY THAT MOVES - MUSIC AT AN EXHIBITION」、Artistree、香港(中国)

https://miyakitahiromi.com/


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"SUZUO" (2019 / video installation) 

展覧会に寄せて
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存在の尊さにふれるとき

水滴は、まるで螺旋状に舞う真珠のようだ。大きく広がる植物の葉は、その手をゆったりと振り、またある時は羽ばたく鳥の翼のような軽やかさをみせる。あまりにもささやかなその動きに、気づく人は少ない。宮北裕美の新作インスタレーション「SUZUO」は、くしゃくしゃの紙の間に潜り込むように映像が映し出されている。その表面は波立ち、境界は曖昧だ。宮北は重力の中に軽さを見出し、自然の秩序と戯れ、日常に些細な変化を投げかけることで、そこに立ち現れる静かな美しさをそっと指し示す。

たとえば水滴一粒一粒が真珠のようにきらめく様といった細部へのこだわりや、ある生命が別のものと出会う瞬間に起こる律動のような即興性は、宮北の表現に度々見られる重要な要素として本作に顕著に表れている。その手法やアプローチは身体に対しても同様であり、身体は表現の"中心"ではなく、常に "周辺"に置かれている。ダンサー・振付家として研鑽した専門性を備えつつも、形式や審美的な視点、ジャンプやターン、アクロバティックな動きなどに殊更な意識を向けず、むしろ「歩く・立つ・座る」といった日常的な所作を通じて、周りのあらゆる出来事を肌で感じ取っていく。見えないものを知覚する。時の流れに身を委ね、そこで起きていることを感受する。もしかすると肉体は、宮北の仮の姿なのかもしれない。なぜなら、その腕は曲がった枝に、指先は朝露にもなるからだ。彼女にとって、全ての現象は芸術であり、空気さえも歌になる。

近年、宮北は自己をも削ぎ落とし、鼓動や夜明けの光の中にある生命そのものに手を差し伸べるかのように、クリップや毛糸玉、ティッシュといった日常のありふれたものの中から宇宙をすくい取ろうと試みている。それは、自然の中にある無数の事象と人為的な物事との動的かつ相補的な関係を追求し、そこに新たな在り方を提示するという点では生態学的な行為とも言える。そしてその行為は、あらゆるものに内在する存在の尊さを - たとえどんなに些細で見過ごしてしまうようなものだとしても - 私たちに気づかせてくれるのである。

ー Yang Yeung(アートライター、インディペンデントキュレーター)

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アートライター、インディペンデントキュレーター。NPO団体「soundpocket」を2008年に設立し、現在はアーティスティック・ディレクターを務める。2015年には、香港の中心エリア・コーズウェイベイの路地裏を拠点に「アートが街に存在する権利」と「人々が日常的にアートと出会える権利」を支援するインディペンデントプロジェクト「A Walk with A3」を立ち上げる。国際的な研究機関「Institute for Public Art」のメンバーとして、場づくりのためのパブリックアートプロジェクトに関する研究報告・論文を機関の会議やアーカイブに定期的に寄稿。インディペンデントアート批評コレクティブArt Appraisal Clubや国際美術評論家連盟(両・香港)のメンバーでもあり、現在は香港中文大学で教鞭をとる。

訳:稲葉智子(3331 Arts Chiyoda/本展担当)

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イベントゲスト 紹介
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オープニングパフォーマンス/11月16日(土)18:00〜

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鈴木昭男(サウンド・アーティスト)
1941年生まれ 京丹後市在住。1963年より「自修イベント」としての独自の探求をはじめる。1970年にエコー音器ANALAPOSを創作。1978年、フェスティバル・ドートンヌ・パリを機に「コンセプチュアル・パフォーマンス」を始める。1988年、子午線上の京都府網野町で「日向ぼっこの空間」 を発表し一日自然の音に耳を澄ます。1996 年に開始した街のエコーポイントを探る「点音(おとだて)」プロジェクトを世界 30 都市以上で開催。日常のさまざまな素材から音を導き出しての演奏でも知られ、即興演奏家とのコラボレーションも多い。ドクメンタ8(1987, ドイツ)、ドナウエッシンゲン 現代音楽祭(1998, ドイツ)、大英博物館(2002, イギリス)、ザツキン美術館(2004, フランス)、 AV・フェスティバル(2014, イギリス)、ドクメンタ14(アテネ、2017)など、世界各地の美術展や音楽祭に招待されている。 http://www.akiosuzuki.com/

Photo:© Brian What
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クロージングトーク/12月13日(金)19:00〜20:00

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相馬千秋(NPO法人芸術公社 代表理事/アートプロデューサー)
早稲田大学第一文学部卒業、リュミエール・リヨン第二大学文化人類学・社会学大学院DESS課程修了。横浜の舞台芸術創造拠点「急な坂スタジオ」初代ディレクター(2006-10)、国際舞台芸術祭「フェスティバル/トーキョー」初代プログラム・ディレクター (F/T09春~F/T13)、文化庁文化審議会文化政策部会委員(2012-15)などを歴任。2014年仲間とともにNPO法人芸術公社を設立、代表理事に就任、法人の経営や各種事業のディレクション全般を行う。2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章。2016年より立教大学現代心理学部映像身体学科特任准教授。2017年より「シアターコモンズ」実行委員長兼ディレクター、「シアターコモンズ・ラボ:社会芸術アカデミー事業」ディレクターを務めるなど、演劇、美術、社会関与型アートなどを横断するプロジェクトのプロデュース、キュレーションを国内外で多数手掛けている。2017年より「あいちトリエンナーレ2019」のキュレーター(舞台芸術)も務める。

Photo: Yurika Kawano
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「Parallel」制作協力:川口優子

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【主催・お問い合わせ】 アーツ千代田 3331(展覧会担当:稲葉/広報担当:彦根)
TEL:03-6803-2441(代表)/FAX:03-6803-2442
EMAIL:info(at)3331.jp(代表)/pr(at)3331.jp(プレス)
*(at)を@に変えて送信してください。

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