<スケジュールに関するお知らせ>
2015年3月に開催された3331 ART FAIRの出展アーティストより久野彩子を紹介いたします。
久野彩子は本格的な作家活動を始めた2014年より、様々な若手のコンペティションで受賞し、その精緻な表現力で評価を得ています。金属での緻密な表現を可能とするロストワックス鋳造技法でつくられた作品は、都市の風景をモデルにしており、その幾何学的な構成は私たち観るものの想像力を刺激します。
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ユートピアを夢見た未来とは裏腹に、現代の世界は国家を超え、混迷の度合いを深めている。世界が抱える問題の多くは、あらゆる事物の都市への集中に起因すると言える。解決策は思いもよらないが、より長期的な視点で、公平、寛容であるなら、より生きやすい社会となるだろう。
今日、アーティストは自身の探究心以外に様々な方法で実社会との関与を始めている。問題提起、イノベーションや街づくりにも、その創造性の発露が期待される。
久野の作り出す金属製の都市からは、ノスタルジーや儚くも脆い文明の末路といった、複雑な感傷を見るものに与える。未だ荒削りに思えるが、都市に張り巡らされた路地一つ一つに思いを馳せながら独自の都市像を編んで行くことに期待したい。
芸術の使命は世界がいかに変遷しようとも人生に豊かさをもたらすものに変わりはない。生も希望も芸術も、密かに宿る小さな命とともにある。
スパイラルチーフキュレーター
岡田勉
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久野彩子
1983年 東京都生まれ
2008年 武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科金工専攻 卒業
2010年 東京藝術大学大学院美術研究科工芸専攻(鋳金)修士課程 修了
目に入った都市空間の様々な要素を切り取って再構築し、蝋で形をつくり、ロストワックス鋳造技法を用いてシルバーや真鍮、ブロンズ等の金属に置きかえて作品を制作している。
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