<スケジュールに関するお知らせ>
「ポコラート全国公募展 vol.3 受賞者展」は、2012年12月に開催した「ポコラート全国公募展 vol.3」の受賞者による連続グループ展です。最終回となる本展は、金崎将司さん(福住廉賞)と、伏木庸平さん(千代田区長賞)の2人展です。時間の経過と緻密な手仕事によって、積み重ねられ形作られた2人の作品世界をご高覧ください。
金崎将司(Masashi KANASAKI)
『百万年』(ポコラート全国公募展 vol.3 福住廉賞受賞作品) 紙(チラシ)、240mm×170mm×490mm
【Profile】
1990年生まれ、東京都出身。社会福祉法人にじの会「にじアート」所属。最初は雑誌やチラシを切り貼りした普通のコラージュであった。しかし、どんどん一部分に紙を貼り重ね半年程が経過、いつの間にか立体作品になってしまった。
【福住廉賞 審査員コメント】
福住廉(美術評論家)
金崎さんの《百万年》を評価したのは、それが「美術」の常識をはるかに超えているからです。この奇妙な物体は、人体をモチーフにしているのか、それとも自然を模しているのか? 雑誌などのイメージを切り抜き、それらを重層的に貼り合わせていくという制作行程を聞くと、そもそもこの作品が平面なのか立体なのかも覚束なくなります。ただ、謎めいたかたちはもちろん、断面に現れた等高線のような線の重なりを眼にしたとき、得体の知れない迫力に圧倒されたことは疑いのない事実です。ものをつくることの原点は、頭ではなく、手の意思にある。金崎さんの作品は、そのことを如実に物語っているように思いました。
伏木庸平(Yohei FUSEGI)
『無題』(ポコラート全国公募展 vol.3 千代田区長賞受賞作品) 刺繍糸、布、1110mm×1000mm
【Profile】
1985年生まれ、東京都出身。近年は、マイペースに刺繍をちくちくと縫い続ける日々を送っている。「イメージフォーラムフェスティバル 2010」(新宿パークタワー、横浜美術館ほか、2010年)、「TRANS ARTS TOKYO」(旧東京電機大学、2012年)などで作品を発表。
【千代田区長賞 審査員コメント】
石川雅己(千代田区長)
まず、その過剰な密度に目を奪われた。この作品、実は刺繍。何かの柄や紋を描き出した刺繍ではないようだ。気の遠くなるような手仕事に驚かされる。少し離れて見てみると、両腕を広げて威嚇してくる動物のようでもある。いや、翼を広げる鷲のような鳥だろうか。3年ほど前から縫い始め、まさに翼を広げるように外側へ布を継ぎ足し継ぎ足し、日々ひたすら多彩な色糸を針で刺し通し続けて仕上がったという。しかし作者によると、これでもまだ完成ではないらしい。次に会う時は、一体どのように変化しているのだろうか。
受賞者によるアーティストトーク
日時:2013年9月29日(日) 14:00~
会場:3331ギャラリー
【お問い合わせ】
ポコラート全国公募事務局
アーツ千代田 3331内(担当:武田、近田、宍戸)
電話:03-6803-2441
メール:pocorart@3331.jp
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