<スケジュールに関するお知らせ>
この度、3331 Arts Chiyodaでは、宍戸遊美個展「レインボーレーン」を開催いたします。
宍戸遊美は、3331 Arts Chiyodaの設立に携わった当館のスタッフであり、学生時代から地方でのアートプロジェクトに精力的に参加してきたアーティストでもあります。
今から4年前、3331 Arts Chiyodaの設立に携わるまで、宍戸は生まれ故郷である東京では見つけられなかった風景を求めてアートプロジェクトに参加し、訪れた土地に生きる人々への取材を重ねていました。
しかし、この東京・千代田区外神田での活動を通して、この土地に生きる人々との関係性が生まれるうちに、かつて地方に目を向け、東京で"見つけようとしなかった"ものが浮かび上がってきたのです。
「その土地に根を張って生きる人々の姿は美しい」
そう語る宍戸が見つめたのは、3331 Arts Chiyodaがある神田五軒町に暮らす人々。
戦争から震災、そして経済崩壊の中をこの土地で生きてきた彼らとの会話を機に、
宍戸は、これまで"情報"としてしか捉えることができなかった数々の出来事が、
自分の足元に直結するようなリアリティを持ち始めたと言います。
宍戸が彼らの背中に学んだように、
私たちも"遠くにあるようで、近くにあるもの"に
気付かされるかもしれません。
プロフィール:
1978年東京都荒川区生まれ。東京造形大学美術学部絵画専攻卒業。卒業後、保育所芸術専門員の仕事に従事しながら、沖縄県沖縄市でのアートプロジェクトの立ち上げと展覧会制作・発表を行う。2004年コマンドNに加入し、東京都千代田区でのアートスペース運営と、富山県氷見市、秋田県大館市でのアートプロジェクトの事務局を担当。2008年より、3331 Arts Chiyodaの立ち上げに参加し、現在はプログラムマネージメントを担当。
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コミュニティの強い繋がり、方言、自然と向き合いながらの仕事......
その土地に根を張って生きる人々の姿は美しい。
私はこれまでアートプロジェクトを通して地方をめぐってきた。
それは、東京で生まれ育ち生活する私と、"それら"がかけ離れたものではなく、
かすかに繋がる細い糸のようなものを探る作業だったのかもしれない。
4年前、3331 Arts Chiyodaの設立に携わり、この土地で暮らす人たちと対峙したとき、
これまでアートプロジェクトを通して見つめてきたあの風景が、東京にも存在することを実感した。
はるか遠くに求めていたものが、自分が立っている場所に見えはじめたのだ。
誰に知られることもない何気ない日々が積み重なり、この土地の歴史や文化が構築されている。
その先に、私の日常が重なるとき、この世界は"見えない奇跡"の連続であるように思えた。
戦前から千代田区外神田に住むふたりの男性にインタビューを重ね、
彼らが青年期に目にした景色・温度・歓喜・葛藤を知ることは、今の私に必要なことだった。
なぜなら、青年期の彼らが踏みしめてきた場所を、私もはこれからも踏みしめていこうとしているのだから。
――宍戸遊美
関連イベント:
2013年08月24日(土)19:00より、作家を囲んでささやかなパーティを行います。
当サイトには、入居している各団体が行う催事についての情報も掲載されています。
展覧会やイベントなどに関するお問い合わせは、各団体へお願い致します。