<スケジュールに関するお知らせ>
「日々の明々後日」における、若い作家とキュレーターが共に展示・イベントを企画し、発表するシリーズ"STUDY ROOM"。4回目となる今回は、武蔵野美術大学大学院油絵コースに在籍中の森下麻由良氏をゲストに迎え、展覧会を開催致します。
森下氏にとって初めての個展となる今展覧会では、「樹脂シーリーズ」と名付けられた樹脂を使った作品を展示、同時に滞在制作も行う予定です。
森下氏の「樹脂シーリーズ」は、樹脂を素材に、日常に溢れる様々な既製品を模造した作品シリーズです。それらの作品はどこか違和感と不自然さを持ち合わせながら不完全に再現されており、そのキャッチーなパロディ性やおかしさは観る者の目を楽しませてくれます。しかし、もしその作品を実際に目にすることが出来なかったら、私たちはどのようにしてそのおかしさを発見することが出来るでしょう。
森下氏は今展覧会のために、視覚障害を抱える方に「樹脂シーリーズ」作品を体験してもらい、その様子を映像と音声で記録しました。本展では、その記録を基に、「樹脂シーリーズ」作品群を3つのテーブルに異なる方法で展示し、来場者の皆さんにも視覚と触覚を段階的に制限しながら作品を体験してもらおうと考えています。この実験的な展示方法は、私たちが普段いかに見えている世界の情報に頼りきっているかということに気付きを与えてくれると同時に、目で見る世界の範囲に留まらず、私たちが当り前だと信じ込んでいる世界の様々な物事は、果たして本当に正しいものなのだろうかという疑問を投げかけてくるようにも思われます。
今展のために企画・制作されたこの「樹脂シーリーズ」という作品群。なぜ"シリーズ"ではなく、「シーリーズ」なのか?と、疑問に思うかもしれません。それは、この小さなゆらぎの中に、正しいと思い込んだ情報と提示された情報のズレを感じているからです。これを、間違っていると思うのか。それとも、あるひとつの別の可能性だと理解するのか。
「樹脂シーリーズ」作品を実際に体験し、ぜひ考えてみてください。
WEB:http://hst308.blog.fc2.com/
お問い合わせ先:hibino.siasatte@gmail.com
監修:日比野克彦
企画:『日々の明々後日』企画運営室
協力:株式会社ムラヤマ
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