<スケジュールに関するお知らせ>
アーティスト:笹井青依、宮本ひかり
この度、Gallery Jin Projectsでは若手作家による2人展を開催いたします。
「道すがら目にした木や花や建物を眺めながら、自分の見ているものはいったい何なのか考えるところから制作が始まります」(笹井)。笹井の作品のモチーフは、一見して植物を、あるいは岩山や家を描いていると認識できます。作家自身が言うように、それらは「日常生活の中で出会った光景」に基づいており、なるほど曇り空の下に切り取られた風景にも見えます。しかし、それ以上に、グレーの背景やデフォルメされた枝葉が抽象的な空間を感じさせもするでしょう。さらに、奥行きの捉えにくさや、光の効果等が相俟って、一本の木のスタジオ撮影を見せられているような奇妙な印象を作り出しています。
「体を笊みたいにして残っているものをできるだけ拾いたいと思っています」と言う宮本の作品には、格子のイメージが度々登場します。格子の目は大小様々にたわみ、その向こう側や目の間には色彩が見え隠れし、あるいは格子を飲み込む勢いで迫ってきます。これらは「笊」というキーワードと重なりますが、そこに見え隠れするイメージは「漉されたもの」というよりも、いびつな網に絡め捕られた、玉石混淆の渦といった趣です。作家の「笊」もまた、目の揃ったそれではなく、いびつなものであるからこそ、私たちはシンパシーを感じられるのかもしれません。
彼女たちの絵画は、まさしく素朴な「絵画」であり、何ら主張するマテリアルはありません。それぞれのアプローチで愚直に絵画であり続けることによって、作品に説得力を持たせています。 是非貴メディアにてご紹介下さいますよう、宜しくお願いいたします。
笹井青依:1986年神奈川県生まれ。現在、神奈川県在住。2011年に武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了。本展では、新作5点と近作数点を出品予定。
宮本ひかり:1984年熊本県生まれ。現在、神奈川県在住。2011年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻油画を修了。本展では、新作7点と近作数点を出品予定。
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