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アーティスト:mariane(マリアーネ)
マリアーネ(松尾真郁子)は、1982年にブラジル・サンパウロに生まれ、幼少期の数年間をシンガポールで過ごしました。2003年に京都嵯峨芸術大学短期大学部イラストレーション専攻を卒業。2010年の群馬青年ビエンナーレでは、「恐るべき超絶技巧でありながら、おおらかな画面になっている」と評され、奨励賞を受賞しました。Gallery Jin での初めての個展となる本展では、和紙にアクリルガッシュで描いた新作約15点を展示予定です。
繊細な筆致によって明るい彩色を施された生き物たちは、動物か植物か判然としない奇妙な姿で現れます。それらは、深海、あるいは熱帯に生きる動植物を思わせ、艶めかしい媚態に感じられる一方で、どこか暢気な空気を醸しだし、ふてぶてしい表情さえ感じさせます。マリアーネの制作は、現れては去っていく身体感覚をとらえ、生きることの根源的なエネルギーを表出したいという希求に基づいています。不可思議な姿をした生き物は、彼女が手繰る無数の生のイメージの一つと言えます。
本展のタイトルは「ja dormiu? −もう、眠りについた?−」。まどろみの中で見る夢や、かすかに感じられる現実の音や匂い、肌触り。これらは、マリアーネにとって(あるいは私たちにとっても)、時に、覚醒しているときのそれよりも示唆に富み、新たな生を描く道標になり得ることでしょう。
〈作家コメント〉
現実にはあり得ないようなことが、自然に繋がって進んでいく。
ここ半年ほど、とにかくよく夢を見る。
眠っているようにみえても私の身体は私を眠らせない。
ぼんやりとした目覚めの中、アトリエに入って作品に囲まれ始まる毎日。
描き始めると目の前で、心と体が上手く解け合って、
これまで叶わなかったことも、これから叶えることもゆっくりと味わっていく。
現実の中で私の身体はこんなふうに私を越えていく。
さっきまで感じていた眠りの世界と同じように。
ja dormiu?
あなたが眠りに落ちるときにここからささやきたい。
吐息を確かめられるところ。
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