<閉館のお知らせ>
3331 Arts Chiyodaは、2023年3月15日をもちまして閉館いたしました。

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千代田区地域振興部文化振興課文化振興係
TEL:03-5211-3628
bunkashinkou@city.chiyoda.lg.jp

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合同会社コマンドA
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TEL:03-6803-2441
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閉館に伴うスケジュールと施設利用について
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齋藤 瑠璃子 個展「森の共犯者 郷の抽象化」

齋藤 瑠璃子 個展「森の共犯者 郷の抽象化」
日程
2011年03月05日(土)~2011年03月28日(月)
時間
12:00-20:00
休み
火曜日
料金
無料
会場
206a: ゼロダデ アートセンター 東京

<スケジュールに関するお知らせ>

アーティスト:齋藤瑠璃子
協力作家: 木村功平 古澤 龍 湊 哲一 川上秀行+伊藤隆志

ゼロダテ アートセンター 東京の設立一周年を記念して、齋藤瑠璃子 個展「森の共犯者 郷の抽象化」を開催致します。齋藤瑠璃子は首都圏を拠点に活躍するペインターで、2009 年にはホルベイン・スカラシップ奨学者として認定を受けています。2 年ぶりの個展となる本展では、秋田県の絶滅危惧種の植物や生物を描いた「red data」シリーズや現実と幻想が入り交じった風景画を発表します。また、本展では特別に、異なるジャンルで活躍するアーティストと齋藤瑠璃子による共同制作の映像、立体、インスタレーション作品も発表致します。

主催:ゼロダテ アートセンター 東京
協力:WE LOVE AKITA 齋藤農園
一部作品共同制作者:木村功平 古澤 龍 湊 哲一 川上秀行+伊藤隆志

オープニングパーティー:3 月5 日(土)18:00~20:00
当日は秋田の旬の地酒と手料理をご用意します。※一部有料
クロージングパーティー:3 月26 日(土)18:00~20:00
作家によるトーク、川上秀行+伊藤隆志によるパフォーマンスを開催予定。

詳細はこちら↓
http://www.zero-date.org/schedule/schedule_file/000603.html
プレスリリースのダウンロードはこちら↓
http://www.zero-date.org/schedule/upfile/saitou_pr110210s.pdf
作家HPはこちら↓
http://saito-ruriko.com


作家紹介文:幕内 政治(レビュアー)

 この郷愁はどこへ向かうのだろう。
 どこへ、向かっているのだろう。

 大きな作品では自身が育った秋田の風景をもとに、やや抽象的なアプローチを重ねながら独創的な気配を生み出し、ちいさな作品には同じく秋田で絶滅した(クニマスの騒動があってそこに今や「~と思われた」というエクスキューズも必要になっていますが)さまざまな生き物や植物が描かれ、それぞれテーマを据えたペインティングが制作されています。

 僕自身、今のところ東北の地に縁がなく、すなわち秋田にも足を運んだことがないこともあり、齋藤瑠璃子の作品について自分の視点で書こうと思い立ったのはよいものの、実際に作品を拝見すると「秋田」という齋藤が生まれ育った場所はやはり切り離せないように思えます。むしろそのことは大事な、大切な要素だとも感じさせられます。しかしそういったことを経験していなくとも、ひとつひとつの画面に描き出される気配や空間のユニークさには充分に引き込まれ、その不思議な雰囲気に興味を覚えるのです。
 小さな作品に描かれる絶滅種はそれぞれのかたちがおよそ写実的に辿られつつも、実態は曖昧さが保たれていて、ぼんやりとした描写がなされています。そのことによって今はいないものの儚げな存在感はゆるゆると表出され、一方で絵の具の質感や色使い、ファットなタッチなどが醸し出す濃厚さが描かれたものとしての生々しさを力強く発します。

 「obake」という言葉が入るタイトルも印象的な大きな画面の作品になると一変、壮大な冬の風景が力強く、重々しく描き上げられます。その風景には不思議な奥行きが備わり、濃い緑などの重い色彩が多用された画面は重厚さに満ち溢れています。そこに降る雪を思い起こさせる大きな白のドットが画面から迫ってくるような臨場感で散りばめられ、同時に現実から乖離するように多彩な色も用いられて抽象的な風合いの強い部分も随所に織り込まれます。鬱蒼としていながらも幻想的。眼前をよぎる降る雪の大きな粒の迫力と遠くに佇む暗く静かな情景とで奥行きがいっそう深められ、ダイナミックな遠近感も生み出しています。

 異なるテーマが据えられるそれぞれの作品は、具象的な表現が保たれながらも決して現実には存在し得ない・・・現実と幻想との距離感が多様な視点と角度で展開され、独創的な世界が生み出されます。描かれる情景は重たい色が多く用いられているせいか、暗く、深い。生まれ育った郷里へのリスペクトをたたえつつ、自身のなかで膨らんだ想いを使う色や筆遣いに込めながら、独自の視座からの情景がそこに導き出されているように思えます。齋藤が描き現す気配を受け取りながら、観る側として僕の中でそれがどう広がり、どこに向かっていくのか、静かな好奇心も湧いています。

幕内 政治
http://ex-chamber.seesaa.net/

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