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ポコラート全国公募vol.7受賞者展

ポコラート全国公募vol.7受賞者展
日程:2018年01月07日(日)~2018年02月04日(日)
時間:12:00-19:00
休み:会期中無休
料金:無料
会場:1F 3331 Gallery

ー 8人のマイ・ウェイ ー

「ポコラート全国公募vol.7受賞者展」では、2017年秋に開催された「ポコラート全国公募展vol.7」で選出された受賞者8名の作品をご紹介します。
作品部門では入選作品128点の中から審査員や来場者により受賞作品7点が選ばれ、ワークショップ部門から名称を改めた「形にならない表現部門」入選作品6点の中から1点が優秀賞に選ばれました。
今回、受賞作品の作者たちは、各々の人生をおくる中で、さまざまな出来事に遭遇し、創作のきっかけを得ています。
そして、それぞれ独自の方法で、独自の表現にたどり着きました。彼らは一体どのようなアイデア、素材を用い、表現においてどのような解決策を見出したのか?
ここに展示される8名の作者たちの唯一無二の自信作を是非お見逃しなく。

主催: 千代田区、アーツ千代田 3331
企画・制作:アーツ千代田 3331
特別協賛:中外製薬株式会社
協賛:三菱地所株式会社


【千代田区長賞】

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加治屋俊「手漉き和紙の名刺」  

1980年千葉県生まれ。2歳半の時に自閉症と診断される。言葉の遅れがあったが、新聞や辞書などの活字に興味を示し、幼稚園の頃には漢字が書けるようになっていた。辞書がボロボロになるまで読み込み、真似して文字を書いた。高校卒業後、まあるい広場に通い始め和紙漉きの作業を中心に行っている。毎日継続して漉きを続け、薄くも厚くも自在に漉けるようになった。B4サイズの和紙を毎日60枚漉くことが目標で、仲間をリードして行っている。休日には定期的に法人内の放課後等デイサービス事業所で、得意な料理の腕を活かし子ども達のために昼食を作るアルバイトも行っている。

<審査員コメント>石川雅己(千代田区長)
まさに一期一会に通ずる世界にたった一つだけの芸術作品である。人と人との出会いの中で使われる「名刺」という道具を、芸術作品として創りあげたことに、私は深い感動と驚きを覚える。


【オーディエンス賞】

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加藤典子「生着る」

1955年埼玉県生まれ。1978年多摩美術大学卒業。自宅で子どもの造形教室を開く傍ら、さいたま市主催事業「小学校の土曜チャレンジスクール」の講師として様々なもの作りを指導している。
この私でも手に入り、それでいて「作品として見たこともない面白い素材」をずっと探していた。ある日空っぽの財布のレシートに目が留まる。
あ、このレシートは私の生きた証、言わばレコードにもなっている。これをかたちあるものにしたい!そこで好きだった服作りを活かして工作的にシャツに仕立てた。
生きることと着ること。長い工作人生を経て、ようやく私自身を表す初めての作品が生まれた。

<審査員コメント>ポコラート全国公募事務局
美しいシルエットの女性物のシャツ。近づいてよく見てみると、買い物をした際に受け取るレシートを用いて制作されている。
タイトルからもわかるように、衣食住を意識したテーマに親近感が湧く。レシートからは作者の生活感が垣間見え、見るものの興味を引き、想像力を掻き立てる。
造形的にも美しく注目を集めた作品だったこともオーディエンス賞受賞の理由ではないだろうか。次回作も楽しみだ。


【堀浩哉賞】

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田中七星「嫌嫌期の男。季節外より旗を振る#1~#45」

1977年 東京生まれ。2000年 武蔵野美術大学卒。2005年 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート ロンドン 修士課程 修了。パリ国際芸術都市にて滞在(2007-2008/フランス パリ)
中国美術学院にて中国費奨学生として留学(2011-2012年 中国 杭州)
主な展覧会と受賞歴に、「亀山トリエンナーレ 7days Gallery」出展(2017/三重)「ポコラートvol.7 全国公募展 」入選(2017/東京 アーツ千代田 3331)「アートハウスおやべ現代造形展」出展(2017/富山 おやべアートハウス)「Monster Exhibition」出展(2016/東京 渋谷ヒカリエ8/COURT)「ShareArt Award」出展(2016/横浜 横浜赤レンガ倉庫)「ポコラートvol.6 全国公募展」入選(2016/東京 アーツ千代田 3331)「"世紀のダ・ヴィンチを探せ!" 国際アートトリエンナーレ」大賞 受賞(2010)「宮本三郎記念デッサン大賞展」宮本三郎記念賞 受賞(2015)などがある。

<審査員コメント>堀浩哉(美術家・多摩美術大学名誉教授)
何度も会場を見回っているうちに、どうやらぼくと似たような想いで作品を作っているらしい作者の存在に気がついた。彼は無限増殖する表現に啓示を受け、その方法を引用しながらそれを一度切断して組み替え、さらにそこにささやかな「私」をレイヤーとして加えることで、近代を乗り越える芸術を模索しているのだと思えた。それがこの作品である。


【箭内道彦賞】

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福地充洋「せわにんじゃ~!」

1968年2月20日愛知県名古屋市生まれ。子どもの頃に手塚治虫の「鉄腕アトム」を読み、漫画を描くようになる。小学5年の時、「毎日小学生新聞」のまんが大行進のコーナーに4コマ漫画を応募して1等になり、さらに漫画にのめりこむ。1990年日本福祉大学Ⅱ部を卒業。学童保育所指導員を経て、1996年よりグループホームの世話人となる。2011年より、法人のホームページにて「せわにんじゃ~!」の掲載をはじめる。2013年より、行きつけの喫茶店にて「せわにんじゃ~!」漫画展を計6回開催。理解して置かせてくれる喫茶店等に、「せわにんじゃ~!」を配布中。目標を100話として、現在も執筆中。

<審査員コメント>箭内道彦(クリエイティブディレクター・東京藝術大学美術学部デザイン科准教授)
この世界になかったものを作る。当事者でなければ作ることができないものを作る。そしてそれが社会に対する強烈なメッセージになる。その意味において、「せわにんじゃ~!」は、パンクであり、アートなのだと思いました。愛に溢れている。


【藪前知子賞】

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後藤美樹「あひる」

1992年北海道生まれ。2011年よりアートセンターあいのさとにて活動開始。大好きな元AKB48高橋みなみと自身とを重ね合わせ、今日も制作に取り組む。多彩な画材を駆使し、幅広い作品を制作する。大胆な作品から緻密な作品と様々である。デザイン力に優れ、直感的に作品を仕上げていく。迷いのない線描、色使い、構成。完成した作品の数々は独創的・耽美的・猟奇的。それはまさに彼女の世界である。
主な展覧会と受賞歴に、「NHKギャラリー展」出展(2015-2017)「道の駅フォーレスト276大滝展」出展(2015)「3日間のショールーム」出展(2015)「チャレンジドアート&プロダクツ」出展(2015-2016)
「ふしぎな世界展」入選(2014)「北海道知的障がい者芸術祭」入選(2013)「ビッグアイアートプロジェクト」佳作賞 受賞(2014)「札幌市民芸術祭美術展」佳作賞 受賞(2014)「ポコラート全国公募展vol.7」入選(2017) などがある。


<審査員コメント>藪前知子(東京都現代美術館学芸員)
あひるを描こうとしたら2になってしまった。子どもの絵描き歌の世界にも通じるこの驚きを、作者は繰り返し確かめるように描いている。彼女はその都度、2とあひるの境界がどこに出現するのかを推し量る。彼女はその秘密を、一筆書きの形だけではなく、回りを取り囲む風景との関係からも解き明かそうとする。大胆に塗り分けられた背景は、あひるを取り囲む不安定な世界を描写するときもあれば、2という数字を支えるデザインにもなる。面白いのは、明らかに2という数字が書かれているにすぎないのに、それが命を持ち、あひるに見えるという反転が起きるときだ。この入り口は、異なる世界を束ね、行き来する通路を作るという、「芸術」という術の本質に確かに繫がっていると感じる。2という数字の持つ意味の不自由さと、浮かぶあひるの自由さのコントラスト。しかし、この自由はどこか寄る辺なさと繫がり、作者の心情を想像させる。誰でも共感できる単純な遊びから私たちを遠くへ連れて行ってくれる秀作である。

【藤浩志賞】

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本田正「たくわん」 

1979年 福島県生まれ・在住。17歳からサーフィンをはじめ、26歳からアート活動を開始。サーフィンとアート、どちらも表現であるという共通点に気づき、これらを融合した作品を制作。
2011年東日本大地震で、海を見たショックからうつ病を発症し、また、知的障害も発覚。この頃から、野菜と果物の絵を描きはじめたことがきっかけで、農業をに目覚め、自分でつくった野菜を題材に作品を制作する。自らが抱える病の特徴である、同じことを繰り返す行為を特技に変え、これからも作品制作に取り組む。
主な展覧会と受賞歴に、「講談社フェーマススクールズ」クリエイティブアートコース受講(2007)「はり絵展」個展(2009/モーニングテラス・福島県郡山市)「半獣神特別展」(2010/銀座・月光荘画材店)「月光荘ムーンライト展」入選(2011/銀座・月光荘画材店)「紙で遊ぶ展」個展(2012/銀座・月光荘画材店)「月光荘ムーンライト展」入選(2013/銀座・月光荘画材店)「イロイロ展」ゲスト参加(2013/郡山市ビッグアイ市民ふれあいプラザ)「半獣神特別展2013」(2013/銀座・月光荘画材店)「第4回ポコラート全国公募展」入選(2013/アーツ千代田3331)「エイブル・アート・アワード2013」 画材支援の部・マツダ賞 受賞(2013/アーツ千代田3331)「千代田芸術祭」アンデパンダン部門入選(2014/アーツ千代田3331)などがある。

<審査員コメント>藤浩志(美術家・秋田公立美術大学教授)
あざやかな「きいろ」がやわらかく飛び込んできた。とてもきれいに重ね並べられ、不思議にたたずんでいる。「何だろう?」と心ひかれ、くすぐられる。知っているのだけど、見たことがない。その横には大胆に大きく描かれた鮮やかな緑と白が広がって、同じようなものがいくつも拡がって並んでいる。これも知っている風景なのだけど、これまで見たことがない。とてもナイーブで敏感な気持ちがそこにつながっているように感じた。そしてタイトルをみてとても幸せな気持ちになる。

【中村政人賞】 

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上之昌道「ねじまわし」 

1974年広島県生まれ。福山市にあるあゆみ苑成人寮にて生活。いらなくなった家電など身の回りにある様々な日用品を集めてきては解体し、そこから出る部品と廃木材とを組み合わせて作品をつくる。でたらめな歌を歌いながらインパクトドライバー、かなづち、のこぎり、時には曲がったくぎなどを見事に使いこなす。出来上がった作品は完成するとすぐに解体され、別の作品の素材になる。何度も何度もくっつけては壊すを繰り返し、新しい作品が出来上がる。また、つくった作品を自らの手と話術で来客者に売り込んだりプレゼントし、こっそり用意した自作の名刺と領収書を渡し交流を楽しんでいる。

<審査員コメント>中村政人(アーティスト、東京藝術大学教授、アーツ千代田 3331 統括ディレクター)
上之昌道さんの制作は、解体しながら構築していき、構築しながら解体していく。さらにそのどちらも同事に進行していく。木ねじは、ドライバーで手を回しながらその回転エネルギーで木にくい込んでいき、釘は、ハンマーで叩くエネルギーで垂直に打たれていく。合板はのこぎりで前後に早く動くエネルギーで切断され、さらに釘や木ねじを受けとめ、強く接合される。ちぎられたような合板がその行為とモノの積層で凝縮したエネルギーを蓄える。その「かたまり」は、ものとしての存在を超えている。もの派は、「もの」に最小限の行為で、「もの」そのものの存在を喚起するが、この「かたまり」は、圧倒的な行為を受けとめ続け「もの」の存在を超えた「生態」つまり生きていくための態度を内在させる。素材が廃材のためリサイクルや環境問題などと結びつけてしまいがちだが、この作品は、現代美術の文脈で語るべきだ。台座を必要としない彫刻、プライマリーストラクチャーやもの派の流れで批評していくことでその行為性の純度や価値を問うべきだ。その意味では、もの派ではなく「かたまり派」とでも呼びたい作品だ。


【形にならない表現部門 最優秀賞】

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中村和暉「ことば+つむぐ」

1998年大阪府生まれ。大阪府在住。2016年初夏、普段言葉による会話を行わない中村が突然流暢にしゃべりだした。世界中に溢れることばの中から彼が選ぶことばたちは、時にユーモラスで時に美しい。何より、声の質感・調子が絶妙に心地よい。彼にとって『ことばをつむぐ』という行為そのものが自己表現のひとつになっているのではないだろうか。

<審査員コメント>大月ヒロ子(IDEA,INC.代表取締役)
これまでのワークショップ部門は、今回から形にならない表現部門と名前を変えました。ワークショップにこだわらず、さらに突き抜けるような表現の自由を求めての変更でした。そのタイミングで『ことば+つむぐ』は登場してきました。私たちは今、文字や言葉、音が溢れる世界に暮らしています。しかし日々、膨大な情報の波にもまれながら、それをしっかりと受け止め咀嚼せず、大半を無意識的に受け流しています。量に反比例して、言葉や音自体もその存在感が薄くなっているように思います。そんな私たちの日常に切り込んできたのが『ことば+つむぐ』の中村さんでした。彼が発する言葉は、エッジが立っていて生々しく、意表をつく単語の組み合わせや、リズミカルな語呂合わせが印象的です。訥々としながらも丁寧な発語に、パワーを感じます。また、彼自身も施設の外で、その言葉を受け止める多くの人の気配にどこか勇気付けられたのではないでしょうか。このように障害がある、なしに関わらず、表現者と受け手が、互いを刺激し、新たな気づきを生む場がポコラートなのです。


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イベント情報 『受賞者によるアーティストトーク』
Vol.7の受賞者 8名やその支援者が受賞作品についてのエピソードを紹介し、スタッフのコメントを交えながら会場内をまわります。

日時: 2018年1月21日(日)14:00ー15:30
会場:1F 3331ギャラリー
参加費:無料
対象:障害の有無を問わず、全ての人
定員:特になし
申込先:
[E-Mail]ws1[アット]3331.jp  ※[アット]を @ に変えて、メールをお送りください
[TEL]03-6803-2441(代表)
[FAX]03-6803-2442
[必要事項]件名に「vol.7受賞者アーティストトーク 申込み」と明記のうえ、下記の必要事項を本文にご記入ください。
①お名前(ふりがな)
②当日連絡がとれる後連絡先(携帯電話など)
③障がいの有無と介助状態(介助者同伴など)
④その他

当日配慮することや必要な介助などがございましたらお知らせください。
※介助者同伴の場合、介助者の必要事項についてもご連絡ください。
※メール環境のない方は、お電話またはFAXにて受付いたします。

アーティストトーク申込締切:2018年1月20日(土)12:00まで

[お問い合わせ]
ポコラート全国公募事務局
アーツ千代田3331内(担当:嘉納、森本)
TEL 03-6803-2441(代表)
E-Mail pocorart[アット]3331.jp  ※[アット]を @ に変えて、メールをお送りください

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Photo by 宮島 径

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