<スケジュールに関するお知らせ>
1階のカフェ&レストラン・Food Lab 3331と喫煙室の間にある「アートダクト」は、快適な分煙空間をつくるエアダクトを活用した展示スペースです。鉄やステンレスではなく、特殊加工されたガラスで周囲を囲み、その中にアート作品を設置することによって、煙草を吸う人も、吸わない人もアートを楽しむことができるユニークな試みです。
コミッション・アート作品の長期展示スペースとして、毎回さまざまなアーティストが作品を制作・展示してきたアートダクト第11弾となる今回は、現代美術作家・豊嶋康子氏による「活動の範囲」を展示します。
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[作品タイトル]
活動の範囲
・平面から曲面へ
・平滑面から凸凹面へ
・裏面から内面へ
[作品コメント]
天井から球体を吊るす。 球体内部に取り付けた紐を引っ張って割れる仕組みにする。割れた時に周囲の空間を舞いながら落ちていくものを詰め込んでおく。床には矩形を置く。矩形の強度をあげるための工作がしてある。その構造を、矩形の無垢で中立な状態とする。
これまでの展示では、この工作部分を裏側に向けていた。今回は裏も表も無い状況での展示になった。
球体の内側はこの状況では見ることができない。喫煙スペースの球体は戦時中の日本人画家の名前とその渡航先が描いてある。
豊嶋康子
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本作品は、作品を四方から見ることが出来るアートダクトの展示環境の特性と、今まで豊嶋氏が手がけてきた作品の性質がかみ合い、アートダクト内のインスタレーションが完成した。
くす玉は内側に秘められた紙テープの一部を覗かせながら、いつか割られることを待っているかのよう。しかし、割られることなく、内包したまま時間が過ぎていく。
▲喫煙室側からも作品の両面が見える。
▲壁に掛ける紐が取り付けられている面だが、精巧に木が組まれている。
壁掛け展示の場合、こちらの面は壁側になり姿を見せない。
ただ平滑なベニヤパネルの面が表に見えるだけである。
▲カフェ内のアートダクトに展示されているくす玉。よく見るとくす玉を覆う紙片にはなにやら人名が書かれています。
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【作家プロフィール】
豊嶋 康子 Yasuko Toyoshima
1967年埼玉県生まれ、在住。東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。ひとの思考の仕組みに構造的に対応する「型」を美術作品として制作。あらゆる領域の物質/システムと関わる表現方法を試し続けている。セゾン現代美術館(1990、1997)、水戸芸術館現代美術ギャラリー(1997)、M画廊(1996、2016他) 、秋山画廊(1992、2014他)、 府中市美術館(2005、2006)、 東京都現代美術館(2002、2015、2016)、他で個展/グループ展多数。
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