<スケジュールに関するお知らせ>
第1部:カワヲワタル、北口広美、鈴木圭、砂川啓介 第2部:岡本純、阪中隆文、白井晴幸、砂川啓介
多摩美術大学造形表現学部の廃止が決まり、一つの歴史が終わりを迎えようとしています。本展は、二部構成に渡りこの造形表現学部を卒業したごく一部の小さな表現者を紹介する展覧会になります。
第一部は、造形学科の卒業生のみの絵画を主体とした展示になります。第二部では、造形表現学部(造形学科、デザイン学科、映像演劇学科による三学部)全体での展示がつくれないかと動きだし、造形学科と映像演劇学科の卒業生による複合的な展示が可能となりました。同じ部屋、同じ学科から同じ学校、同じ表現者での広がりを、一つの展覧会を通じて感じていただけますと幸いです。
第一部『ハイブリット画』
造形学科は、従来の美術教育では歴然と区別されてきた日本画と油画の境界を取り払い、両者の技法や伝統を横断的に取得する学科でした。そこで出会った表現はまさしく混合されたものであり、本展覧会の第一部を構成するテーマとなりました。そして、第一部は絵画のみで構成しており、混合した絵画の在り方を[油画×日本画=ハイブリット画]と称し、それぞれの特性のイメージをクロスオーバーした、シンプルに考えた絵画とは何かということを展示のテーマと掲げ、概念にとらわれない見せ方を実験的に提示します。
透過性のある絹本を用いて、画面の表と裏に相互に浸透し合う非対峙的なイメージを提示する北口広美。紛失した絵画の物語を壁をも一つの作品にする鈴木圭。模倣によるオリジナルの消失を反復行為と時間を用いて提示する砂川啓介。カワヲワタルによるライブペインティングでは動く線を描画し、着地点をもたないイメージの成長を狙います。
第二部『フィルタリングアクト』
第二部では、第一部で行った絵画のみの構成ではなく、写真や立体などの複数のメディアを使った四人の作家、白井晴幸、阪中隆文、岡本純、砂川啓介による新作作品を発表致します。
総体としましては「フィルタリングアクト」と称す一つのテーマを設けました。
フィルタリングアクトとは、作品を捉える際に生じる外的なるものと、内的なるものの多くの情報の境界をフィルター(作品)として扱うことで輪郭を弱めます。それは、観るという一方向の行為の中から生まれてくる思考を、テキストや行為、行ないによってそこから発する複数のイメージを制御することで、本来の姿を見直すことを意味します。見直すことによりそのものに属する在り方の再解釈をほのめかします。
以上の第一部『ハイブリッド画』、第二部『フィルタリングアクト』、この二部構成による表現の多様性を是非ともご堪能下さい。
◆イベント
●オープニングパーティ
第1部:9月12日(土)17:00~
第2部:10月3日(土)17:00~
●クロージングパーティ 10月18日(日)17:00~(予定)
●トークショー
第1部:9月19日(土)14:00~ ゲスト:小金沢智(日本近現代美術史)
17:00~カワヲワタル×委細氏によるライブパフォーマンス(予定)
第2部:10月11日(日)14:00~ ゲスト:未定
※ 詳細が決まり次第、アキバタマビ21のHPでご案内致します。
http://www.akibatamabi21.com
当サイトには、入居している各団体が行う催事についての情報も掲載されています。
展覧会やイベントなどに関するお問い合わせは、各団体へお願い致します。