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衛星写真館
写真はその誕生のときから、絵画の伝統を受け継いでいた。世界を切り取る四角いフレームは、その内側にひとつの秩序を作りだす装置だった。自然のなかに見出される秩序は風景となり、人間の姿から取り出される秩序は肖像となり、また社会のなかに求められる秩序は、さまざまな集合写真として表現されていった。
古屋和臣の写真は、こうした歴史を独自の方法で未来へと開く。彼の家族写真は風景のなかにあるが、その視点は空間のなかというよりは情報環境のなかにある。グーグルアースによってあらゆる場所が等価となった時代の、新しい秩序を示している。秩序の中心にいるのは、未来を見つめる子ども。衛星時代の新しい写真館がいまオープンする。
港千尋(写真家・著述家)
古屋和臣|Kazuomi FURUYA
アーティスト
1980年 東京生まれ
2002年 多摩美術大学 グラフィックデザイン学科卒業
2004年 多摩美術大学 博士前期課程 デザイン専攻 情報デザイン領域修了
2004-06年 映像制作プロダクション勤務(TV-CF・PV等映像制作・演出)
2007-12年 映像作家・アーティストとして活動/多摩美術大学 メディア芸術コース助手
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