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3331 アンデパンダン・スカラシップ展 vol.2

3331 アンデパンダン・スカラシップ展 vol.2
日程:2012年01月07日(土)~2012年01月29日(日)
備考:オープニング・パーティー:2012年01月07日(土)18:30-20:00 *参加無料。どなたでも参加できます!
時間:12:00-19:00
備考:最終入場30分前
休み:火曜日
料金:無料
会場:1F メインギャラリー

アーティスト:伊藤大朗(八谷和彦 賞)、川瀬知代(松蔭浩之 賞)、木森恵子(中村政人 賞)、Sonopuro-Nopuro(椹木野衣 賞)、Hi!LEG(オーディエンス 賞)、三木麻郁(四方幸子 賞)、水戸部七絵(O JUN 賞)、山田はるか(五十嵐太郎 賞)

広く市民に解放された芸術・創造の場を目指す3331では、誰でも出品できるオープンなフェスティバル「千代田芸術祭」を開催しています。アートシーンの未来を担う新たな才能を発掘・支援すべく、第2回目となる「3331 アンデパンダン」(2011年9月開催)を実施。約300作品が出品され、会期中には来場者とゲスト審査員による投票を行いました。選出されたアーティストは、3331にて展覧会を行えるスカラシップ制度を設けており、この度、下記の8作家による展覧会を開催致します。今後の活躍が期待される新進気鋭作家たちの新作発表の場に、ぜひご期待ください。

<出展作家紹介>

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untitled -The blunder of the superior authorities- 無題 - 上司の失態 - (パネルにアクリル絵具)

● 伊藤大朗(いとう・ひろあき)
1978年、北海道生まれ。2005年、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コース修了。1999年、群馬青年ビエンナーレ、2009年・2010年、GEISAI#13・#14、2011年、街中アートギャラリー福岡。
http://tairo.jp/

選評:八谷和彦(メディア・アーティスト)
実は、一度は決めていた受賞作を変更しました。最初は「観客視線で面白いと思った作品」にするつもりで選考していたのですが、一晩たって「来年展覧会をやってもらいたい(やれるであろう)作品」に変更しました。実際には良いと思った作品はそれより多くて、「もし売ってたら買いたい賞」「これの続きが見たい賞」「大きいのを展示して欲しい賞」など出したい位で、アンデパンダン展作品を審査する難しさを感じました。一方観客としてはこのバラバラさをかなり楽しませていただいた感もあります。受賞作家の皆さんは、来年の展示よろしくお願いします。そしてエントリーしていただいた皆様、またどこかで作品を拝見させていただくのを楽しみにしています。


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loop(紙、インク)

● 川瀬知代(かわせ・ともよ)
三重生まれ。絵描き。ドローイングを中心に、切り絵や、布の立体等を制作している。近年、関西から東京に拠点を移し活動中。
www.kawasetomoyo.net

選評:松蔭浩之(現代美術家/写真家)
一見愉楽的で可愛らしいドローイングを、松蔭浩之が選出することを意外に思うかも知れない。しかし本作から私は、描き続ける気力と体力にあふれた「絵描き」を発見し、端的に清々しい気持ちになった。山や自然を尊敬するという彼女の空想から生まれでた、ビビッドな花や虫たちは眩しく、サイケデリックでもあり、ネイチャー系というよりむしろ人工的にも見え、さらには毒々しく攻撃的にも映り痛快だ。電力もハイテクも必要としない強さ。決して新しい試みではないが、アップデイト可能な切り絵の配置という方法も功を奏した。森羅万象をしたたかに観察する視力、創作に実直に取っ組み合おうとする大きな「覚悟」。この人と私の直感を信じることに決めた。


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モッサペラドの住人達(布、糸、木ほか)

● Sonopuro-Nopuro(ソノプロノプロ)
1973年生まれ。1993年、千代田工科芸術専門学校商業デザイン科卒業。過去にグループ展やデザインフェスタ等に参加。2011年新たな気持ちでアーティスト名をSonopuro-Nopuroとし再始動する。記憶と刺激から創造するオリジナルキャラクターとその世界観をイラストや立体で表現する。
http://www.sonopuro-nopuro.com/

選評:椹木野衣(美術評論)
ぬいぐるみを使った作品は、欧米で1990年代初頭ころから増え始めた。米国西海岸の美術家マイク・ケリーの作品が、ロック・バンド、ソニック・ユースのCDジャケットに使われたことでも、広く知られるようになった。そうこうするうち、日本でも同傾向の作品がチラホラ見られるようになった。本作も、基本的にはこの流れの中に位置づけられるだろう。が、ここでは、すべてのキャラクターが来歴と固有名、そして特定の役割を持っている。この複合彫刻は、これらの諸要素がひとつの場に圧縮された、いわば物語の氷結状態なのだ。解凍すれば、様々な場面をつむぎ出し始めることだろう。美術だけでなく、マンガ、アニメ、グッズ、ゲームと、その触手を様々な場に延ばすこともできそうだ。その潜在的な未知の可能性とあわせて評価する。


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citta (デジタル写真)

● 木森恵子(きもり・けいこ)
1963年生まれ。1993年、東京綜合写真専門学校研究科卒業。初個展「ATMOS PHERE~雰囲気~」(mole/1992年)以降、「META」(ニコンサロン新宿/2003年)、「sarana」(ガレリアQ/2005年)、「木森恵子展」(福岡県立美術館/2007年)など多数。
http://metakimo.web.fc2.com/

選評:中村政人(アーティスト、3331統括ディレクター)
アンデパンダン展の熱気に包また色鮮やかな作品群の中で、特別な主張もコンセプチュアルなバイアスもなくじっとりと存在している木森恵子さんの作品が最後まで気になった。カメラを構えその空間に介在することでの気配の揺れや、空間の肌理の変化、焼き付き定着してしまう残像と消像。カメラを構え見え始めることへの作者の日常的な視点に共感する。時代に乗るための写真とは異なる写真力を感じる。


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有名になりたいプロジェクト(紙にプリント)

● Hi!LEG(はいれぐ)
萩生かな、寺川秋穂、吉山桃子の3人によるアートユニット。ともに武蔵野美術大学映像学科在学中。現在、自らを出演させるパロディ作品シリーズ「有名になりたいプロジェクト」を制作・実行している。
http://hileg.web.fc2.com/

3331 コメント
映画のチラシを真似て登場人物たちを自分等で演じた本作は、内容の完成度が決して高いとは言い切れない作品である。しかしながら、本物と自作のチラシを隣同士に並べることで、多くの来場者の目を引き、足を止めさせた彼女等の狙いはどこにあったのか。「有名になりたい」と言いながら、どこかシニカルな面も垣間見せる本作は、出品総数約300点の中で、見事頂点に立った。


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a little sealed night(インスタレーション)

● 三木麻郁(みき・まあや)
1987年京都生まれ。2009年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科入学。日常的に書き溜めているメモから、ドローイング、インスタレーション、パフォーマンスを展開。第28回上野の森美術館大賞展、入選。武蔵野美術大学油絵学科進級制作展、池田良二賞(2010年)
http://maayamiki.jimdo.com/

選評:四方幸子(メディアアート・キュレーター)
製本ミスで一部が綴じられた「銀河鉄道の夜」のページをもつ本との、書店での幸福な出会い(とそれを発見し活用する力)から始まるこのインスタレーションでは、世界の可視・可読性に依存する「リアリティ」と、不可視・不可読的であっても発動しうる「リアリティ」の接合可能性が扱われている。楽譜に見立てられた本の、綴じられて読めないページ(存在しながらも不可視のテキスト)を含んだ裏のページは、テキストが削り取られ、薄くささくれた表面の一部が破れて内側を微かに露出させている(紙という支持体の露出と立体性の獲得)。隠れたページのテキストは、点字へと変換され、巻きテープに印刷され壁にかかっている。(立体性がないため視覚障害者には読み取れず、点字を読めないものには視覚的パターンでしかない)。可視化されたものや言語やコードという記号としての世界に眼を向け、視覚性や物質性を超えてコードを変換すること。それによってこの作品は、諸コードに脱臼を起こさせ、世界の見方やリアリティの行方を私たちに密やかに問いかけている。


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ミラ・ジョボビッチとダラスのキスシーン(油彩)

● 水戸部七絵(みとべ・ななえ)
神奈川県生まれ。名古屋造形芸術大学卒業後、2011年に『BLUMEN GARTEN』(LOOP HOLE/東京)、『SHIFT←311』(ART CAFE・G BOX/広島)、『イコノフォビア-図像の魅惑と恐怖-』(愛知県美術館ギャラリー/愛知)など、各地の展覧会に参加。主に油絵やデッサンなど、平面絵画の作品を制作。
http://nanaemitobe.com/

選評:O JUN(画家)
最近、若い人の展覧会や大学の講評などでよく目にする作品の特徴。図像のキャラクター化やアイコンのバラ撒き。モノガタリ名人、ドローイング達人の隆盛。これにはきっと何かワケがあるのだろうが、もろもろワケや事情に付き合いが良すぎて肝心の絵力が及ばない。この画家は、野蛮な筆と馬鹿馬鹿しいまでの絵具の濫費を以て、描きの起こりやコトの顛末、挙句、平面の無慈悲と淡々と向き合っている。画家はこのように絵力を養っている。素朴でやや稚拙とも見えるこの向かい合いの道行は実はなかなか険しく遠回りを予感させるのだが、それは仕方がない。この画家は、絵を描こうとしているのだから。ただ、Milla Jovovichの鼻の穴の位置はこれでよいのか?


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ヘルタースケルター(オフセットプリント)

● 山田はるか(やまだ・はるか)
1986年生。女子美術大学短期大学部デザインコース専攻科修了後、東京を拠点に制作・展示、グループ展の企画等を手がけながら活動。「彼氏・結婚相手のいない女性」が思い描く「理想の男性像」を形にする「男想(=男装と妄想を掛け合わせた造語)シリーズなど、ジェンダーや女性の生き方といったテーマを写真や文字を使って表現している。
http://yamadaharuka.jp/

選評:五十嵐太郎(建築評論)
ここまで異種格闘技的な場は、キリンアートアワードの審査を担当して以来の刺激的な体験である。今回は受賞者のグループ展を開催するということで、もっと多くの作品を見たいと思う作家を選ぶことにした。「ヘルタスケルター」を出品した山田はるかである。最初に見たときは展示物を触ってはいけないと感じ、なぜ岡崎京子の漫画を置いてあるのか訝しく思い、二度目の訪問時にようやく開いた。そして執拗なまでに劇中の主人公になりきる作業に驚かされた。講評を担当した作品ではなかったが、HPを参照すると、ジェンダーを軸にしたさまざまな制作をしており、さらなる展開の可能性を感じたことが、山田はるかを選んだ理由である。

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