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一枚のクヌギの葉が、渡邊義紘の手にかかると魔法のように生まれ変わる。彼はさまざまな素材を動物へと擬態させてしまう。小さな画面に半年ほどかける美濃部責夫の絵画は、彼のこだわりが織り成す精神の地図。
日常的に生み出され、自分だけの時間が刻み込まれた二人の創作をご覧ください。
渡邊義紘 WATANABE, Yoshihiro
1989年生まれ。熊本県在住。
幼い頃から生き物全般に強い興味を持ち、いつしか自分のなかに動物園や水族館があるかのように、手にしたさまざまな素材から動物を作れるようになった。そんな特出した才能が注目され、中学一年の若さにして熊本市現代美術館開館記念展「ATTITUDE2002」に世界のアーティストと共に出展した経歴をもつ。毎年10~11月ごろ落ち始めるクヌギの葉を、折り曲げても元の形に戻らず、粉々にもならないちょうどよい状態になった時に拾いに行き、葉を両手に包むと戯れのように手遊びをしていたかと思ううちに動物へと変えてしまう。チョコやガムといったお菓子を食べればその包み紙を、飲食店に入れば箸袋なども、彼の手にかかれば生き物へと変化する。それはまさに魔法のようであり、見る人は驚き、魅了される。そんな周りの反応が彼にとって格別に嬉しいコミュニケーションとなっている。クヌギの葉の造形の他に、切り絵、陶芸、バードカービング、バルーンアート、版画など多くの創作を行っている。
美濃部責夫 MINOBE, Sekio
1968年生まれ。三重県在住。1987年より「風の丘」に所属。
施設での活動のひとつとして10年前から絵を描き始め、現在は月曜から金曜までの午前の活動の中で制作をしている。しかし、制作に取りかかるときも片付けるときも、決まった手順でゆっくりとひとつひとつの動作に時間をかけるので、実際に絵を描いている時間は1日の作業のうちの1時間にもならない。
主に水性ボールペンを使って、少しずつ少しずつ描いていく。1つの色にこだわって描くことが多く、選んだペンのインクが無くなるまでは色を変えない。
1日ずつわずかな時間が刻まれて出来あがる画面には、そんな彼の日常のこだわりが織り込まれ蓄積されている。その独特な色彩感覚で構成された小さな絵画は、まるで彼の精神の地図のようである。
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■関連イベント
10月15日(土) 13:00 − 16:00 無料
「渡邊義紘の動物切り絵」
パフォーマンス&ワークショップ
ギャラリーに隣接したスペースにて、渡邊義紘が切り絵の実演を行います。
また、渡邊義紘と一緒に切り絵を体験するワークショップも同時開催します。
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※A/Agalleryは、障害のある作家の作品を専門に扱う非営利ギャラリーです。
当サイトには、入居している各団体が行う催事についての情報も掲載されています。
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