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#006 間を縫う | 西尾美也

#006 間を縫う | 西尾美也
日程:2011年02月11日(金)~2011年03月14日(月)
備考:レセプションパーティー 2011年02月11日(土) 18:00-21:00
時間:12:00-19:00
休み:火曜日
料金:無料
会場:3331 Gallery

アーティスト:西尾 美也

「装いが閉ざしているコミュニケーションを装いによって取り戻す」

人間の表層を彩る「装う」という行為は、同時に人間の外郭をさだめ、その人が「何」かを伝達する行為でもあります。様々な人間がいる社会のなかで、潤滑にコミュニケーションを図るためには、その相手が「何」であるかが、その後のコミュニケーションのために重要な情報となります。しかしながら一方で、それはコミュニケーションを一つのあり方へ限定してしまう危険性もあります。西尾はこうした構造を「内破」すべく、「装い」を変容させることで、「ありえたかもしれないコミュニケーション」を模索し、提示してみせます。

西尾はワークショップやプロジェクトなどを手段とし、他者と関わることで、アートを生成しますが、その行為はアート作品の作り手と受け手の境界を曖昧にします。いわば西尾はアートの定義、そして作家の創作範囲自体を問い直しながら、アーティストによって行われる必ずしもアートではない活動を行うのです。つまり、操作、介入と自ら呼ぶ活動を通し、特権的なアーティストの立場を否定しているからこそ可能なコミュニケーションを提示していると言えるでしょう。

ところが、こういったコンセプトの前衛さと比べ、その後に残された作品群にはどこか親密さが感じられます。多くの他者を巻き込むプロジェクトでは、参加者のモチベーションをあげることが必要とされますが、西尾のプロジェクトは参加者に楽しさを保証し、記録作品は常にそれを伝えています。ともすると冷たい印象を与える現代美術の中で誰しもが感じるコミュニケーションの違和感や、他者と関わる楽しさを伝える点で西尾の作品は特異な位置にあるようです。

そして家族といった身近な主題から、国境を越えたパリで行われた衣服を交換する『セルフ・セレクト』プロジェクトや、古着を集め『ナイロビ・アートプロジェクト』へと徐々により規模の大きなものへと拡張してきた西尾の活動は、コミュニケーションの可能性の豊かさを象徴的に体現しています。また西尾は今後もナイロビでプロジェクトを継続的に行う予定で、操作されたコミュニケーションのその後、人間同士の関係性など、コミュニケーションを超えた領域も取り込んでいくのでしょう。

本展では西尾がこれまで行ってきたワークショップやプロジェクトなどの活動の結果生まれた写真(『家族の制服』『セルフ・セレクト』)、今回初めて『オーバーオール』シリーズのパッチワークを縮小し再制作したモデル等、いわば彼の活動が結晶化した作品の領域を展示します。西尾の独特のユーモアをたたえた作品は、時間と空間、人間という「間」を縫い進んできたプロジェクトのラディカルさと好対照をなし、鑑賞者のさらなるコミュニケーションを誘発することでしょう。


略歴
1982年 奈良県生まれ
2006年 東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業
2008年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻修了
2011年 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻先端芸術表現研究領域修了予定

主な個展
2006年 「西尾美也展」京都服飾文化研究財団KCIギャラリー、京都
2007年  Self Select, Gallery César Harada, Paris
「西尾美也のふくのりゆう」東京ミッドタウン・デザインハブ、東京
2009年  Self Select in Nairobi, RaMoMA, Nairobi
「ことばのかたち工房」apmg、東京
2010年 「『Overallプロジェクトinナイロビ』帰国報告展」AITルーム[代官山]、東京

主なグループ展
2006年  Media City Seoul 2006, Seoul Museum of Art, Seoul
2007年 「感情の強盗」BankART Studio NYK、神奈川
2008年  IDEL FORUM, Café MOSCAU, Berlin
「日常の喜び」水戸芸術館現代美術センター、茨城
2009年  ESTUAIRE 2009, Saint-Nazaire, France
「越後妻有アートトリエンナーレ2009」十日町市、新潟
From Laboratory to Project, New Museum Weimar, Weimar
「コスチューム・イン・プレイ―キムスージャ・曽根裕・西尾美也」松本市美術館、長野
2010年 「レゾナンス共鳴」サントリーミュージアム[天保山]、大阪
「北本ビタミン2010」北本市、埼玉

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