<スケジュールに関するお知らせ>
ARTDYNEは207号室への移転企画第一弾として、2021年7月2日から7月18日まで髙木優希個展「ゆうれいのいないところで」を開催いたします。髙木優希は今春に東京藝術大学絵画科油画専攻を卒業後、現在、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程に在籍、一貫して絵画の平面性・時間性に注目し、その可能性を模索しています。
リアルなのにどこか奇妙で不自然な部屋。枕のふくらみやシーツのしわ、重ねられた本たち、コンロに置かれた鍋やフライパン。これらはスチレンボードや紙粘土で自作したミニチュアの部屋や家具をモチーフとして描かれています。紙粘土の手作業の跡まで丹念に描写され、独特の湿度を持ったその画面は、そこに誰かが直前までいた様な奇妙な感覚を観るものにもたらします。髙木はホラー映画や怪談に対する興味から、怖い物語を読んだり観たりした後に、それらを創作物だと理解しているにもかかわらず、実在しないものに対して気味の悪さや恐怖をその後もずっと感じ続けるという人間の記憶に着目し、「いたはずのもの」をキャンバスに暗示させることによって、日常の背景に横たわる不穏さや不安定な感情の呼び起こしを試みています。さらに「自作の物を描く」という作業は、模造品を描写(模造)するという重層的な意味を作品にもたらし(それは自動的にトーマス・デマンドの仕事を想起させます)、絵画を制作することの根源的な問いを私たちに投げかけます。
本展では新作を中心に、約10点を展示販売いたします。この機会にぜひご高覧・ご紹介いただければ幸いです。
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