<スケジュールに関するお知らせ>
2015年3月に開催された3331 ART FAIRの出展アーティストより西村雄輔を紹介いたします。
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西村雄輔の仕事は、私たち生命あるもの達のいとなみの中にある時間と環境空間における生態学の一つの物語を示してくれる。次元という私達には到底把捉不可能なストーリーとして、目の前に示す。そしてそれは、ある場所に対峙した時の行為そのものの逞しさと、それを支える静かな思考から成っている。(あるいは行為の確かさが、思考の強さを裏打ちするのかもしれない。)粛々と観察と行為を重ね、その先にある景色や感覚を見つけていく。その場所の過去から連なる現在、そしてその先にあるものが彼の行為においては決して分断しない。
彼の用いる手段のひとつに蜂蜜がある。飴色から琥珀色、さらに深い色へ変化を遂げる蜂蜜は、それが経た時間と周りの状況を貪欲に飲み込みながら、今に匂いを放つ。見る側はそこに対話するための幾つかの方法を見出す。
この魅惑の蜜にまつわるバックグラウンドは実に面白い、私たちの把捉の単位の思考を迷宮の中に誘い込んでしまう、今、ここではあえてこの事については語らないが。それは見る者に委ねようと思う。
保科 豊巳 (東京芸術大学絵画科教授)
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西村雄輔
1976年生まれ、福岡県出身
2001年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画修了
東京藝術大学の地域連携プロジェクト運営、美術学部絵画科油画助教などを経て2015年 現在、東京藝術大学美術学部特任准教授。
2003年より群馬県桐生市の産業遺産である旧織物工場の改修/修繕プロジェクトを手がける。
Moriyoshi Reconstruction Project(2003~4、旧森山芳平織物工場)、現在長期に渡り進行中のYAMAJIORIMONO*WORKS(2006~、山治織物工場)では、傷んだ木造の建物に工場主とともに実際に手を入れながら、その場所と対話し、ものが語る歴史を読み、今を生きる場をつくる行為の在り方を提示している。
また、美術家達の自主企画運営により桐生市の街で展開されてきた美術展「桐生再演」(1994~)での展示活動と運営に2002年から携わっている。
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