<スケジュールに関するお知らせ>
数多くのアーティストを輩出したオルタナティブ・スペース「佐賀町エキジビット・スペース」(江東区佐賀 1983-2000)の活動を検証する佐賀町アーカイブ。2015年の秋は世界各地に於いて石彫シンポジュームを実施し、作品を遺した三上浩のユニークな仕事を取り上げます。1985年の佐賀町のスペースでは巨大な石をギャラリーに運び込み、ひたすら彫り続けて祈りの空間を現出したことで注目されました。
石を叩くことで火花が出る、その最も単純な作業に創作の根源を見た三上はモニュメンタルな作品をつくるよりは石に関わる行為に自らの美学を籠めるようになっていきました。ドイツのレジデンシー・プログラムで見つけた石が氷河期にスカンジナビア半島に飛来した、惑星からのものという言い伝えを聞き、打つことをくり返すうちに飛び散る火花のかたちにあらためて注目します。カメラを設置し、記録と創作を自ら重ねた作家の、火花から生み出される文字のプロジェクト、QUAUGLYPH,硄グリフは1998年12月に完成しました。翌年4月に帰国し「硄グリフ」の発表にかかろうとした矢先に三上は病に倒れ、9月に急逝しました。
遺作となったこの作品は、17年の時間を経て日本で初めてまとめて公開されます。 三上浩の国内外の友人たち、佐賀町アーカイブ、三上夫人・楡木令子が中心となって生まれた実行委員会がこの展覧会の実施に当たります。 火花が生んだ文字「硄グリフ」展は、写真作品と石のインスタレーションから成り立っています。
◎関連イベント
トーク「三上 浩・彫刻が生んだ文字」
対 談:楡木令子(美術家 三上浩夫人)吉田昇(彫刻家)
ゲスト 浅葉克己(アートディレクター) 司会 小池一子
日 時:10月16日(金)18:00 ~19:30
会 場:3331 Arts Chiyoda B105 マルチスペース
定 員:40名(要予約)
参加費:1000円
お申込:メール(info@sagacho.jp)にて、表題を「 三上浩展トーク」とし、氏名、人数、メールアドレス(返信用)を明記のうえお申し込みください。2、3日経って返信のない場合は再度ご連絡ください。(いただいた個人情報は、本トークイベントのご案内のために使用するものとし、ご同意がない限りそれ以外の目的で利用したり、第三者に開示するようなことはございません)
主催:三上浩 硄グリフ展 実行委員会
協力:株式会社キチン、NPO法人アート・ミーティング・ポイント
■作家プロフィール
三上浩 / シンガポールアートフェスティバル / 1990年
三上 浩[みかみ・ひろし]
1944年中国武漢市生まれ。
1967−69年京都市立芸術大学専攻科において堀内正和氏に師事。1970年渡欧、1974−76年セントマーティンス美術大学大学院彫刻科在籍。彫刻シンポジウム全盛の時期にヨーロッパ、アメリカ、アジア各地に活動の場を広げた。また彫刻シンポジウムをインドにおいてスタートさせた人としても知られている。
石を彫るときに生じる「火花+音」を作品にしたい、という着想が発端となり1983年硄のプロジェクトが生まれた。1990年写真家達川清と共に"プロジェクト硄"を開始、1998−99年、ドイツのアーティスト・イン・レジデンスにて単独のプロジェクト"硄グリフ"を完成させる。病気のため1999年他界、このシリーズが遺作となった。
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