<スケジュールに関するお知らせ>
アーティスト:Jerry Kamitaki
佐賀町アーカイブは今秋、佐賀町エキジビット・スペースの初期の作家、ジェリー・カミタキの個展を開催いたします。
ジェリー・カミタキは日系アメリカ人作家で、1984年の佐賀町エキジビット・スペースにおける個展では、徹底したミニマリズム追求の姿勢に立つ平面作品で注目され、同時代の若い作家に強い影響を与えました。実際、端聡、小林俊哉などの「佐賀町展」もジェリー・カミタキの美学に呼応するミニマルな風を呼びこむ動きとなりました。
30年ぶりに日本で発表する新作は、カミタキ自身が「ドローイング」と呼んでいるユニークな平面作品群。それは世界の美術動向に影響を及ぼすアメリカの美術専門誌『アートフォーラム』から切り抜いたページに手を加えるという大胆な方法に基づいて生まれています。
編集記事というレディ・メイド(既にあるもの)の平面に関わり始めたカミタキは、彼の豊かな観念の泉と手の操作を駆使して予想のつかぬサーフェスを呈示していきます。そこにかつてグラファイト(黒鉛)による多様で奥行きのある表面を多く生み出したカミタキならではの仕事の系譜を読み取ることもできます。
カミタキは雑誌の連続方式が好きだと語っていますが、一方に、掲載され複製されたアート雑誌の中にあるアートだけが現代に存在しているアートになるという可能性があることをこのシリーズは示唆してもいます。
展覧会タイトルのWINDOWS 2002 PEACE について
カレンダーの読み方についてもカミタキは考察します。カレンダーについての通念を離れれば2002の最後の2はtoo (「もまた」)と読めるし、そのまま(2002)と読んでもいいと彼は言います。
「WINDOWS」窓は良い機会に向かって開くのと同じように、不快であったり不明な機会にも開くもの、とカミタキは言います。
そして「PEACE」平和。カミタキの作品には多くの暗喩やコードがこめられています。カミタキは第二次世界大戦時にアメリカ大統領令9066号により日系人が収監されたアリゾナ州マンザナー日系アメリカ人強制収容所で生まれています。中南米移民に対する現アメリカ大統領の態度などを重ねあわせればカミタキの平和への希求の強さに思い至ります。
当サイトには、入居している各団体が行う催事についての情報も掲載されています。
展覧会やイベントなどに関するお問い合わせは、各団体へお願い致します。