<スケジュールに関するお知らせ>
画像:「Para-monument」出展作家:望月美葵 《記憶装置》2017
アーティスト:新井夏菜、一井すみれ、望月美葵、大和春子、渡壁遥
人の感覚は記憶に依存していて、痛覚でさえ忘れてしまえば痛いと感じなくなるといいます。モニュメントとは忘れてはならない事柄を想起させるために人の手によって作られるものです。しかし記憶は記録(データ)になると私たちから想起の瞬間を奪っていきます。認識や価値観が変化してしまうような体験であっても、多くの情報が消費されていくように身体的な感覚もまた埋没します。そこには確実に体験があったはずですが、私たちの記憶は、いとも簡単に身体的な感覚を手放してしまいます。身体に存在していたはずの痛みは、痛覚として忘れ去られ、どこへしまわれているのでしょうか。
本展覧会では、現象に目を向けそこに存在するはずの感覚を芸術行為として実践する作家を集めました。彼女たちの作品は記憶のしまわれている場所を明らかにします。事実はいつも強力で私たちを受動的にさせますが、忘れても蘇る痛覚に似た創造力はそれに抵抗する力の存在を証明します。それは私たちに再び想起の瞬間を与えてくれるモニュメントなのです。
本展覧会ではモニュメントのある場を「記憶を想起させる空間」と仮定し、芸術と対峙することによってもたらされる記憶の体験を"Para-monument"と名付けます。5名のアーティストが作り出すそれぞれのモニュメントとして絵画、彫刻、映像やパフォーマンスを提示します。
【イベント】
●4月7日(日)
◎パフォーマンス 14:00~(30分程度)
望月美葵、渡壁遥によるパフォーマンスを上演します。
◎トークショー 15:00~16:30
※美術家で多摩美術大学名誉教授の堀浩哉氏をお迎えして、出展作家とのトークショーを開催します。
堀浩哉|ほり・こうさい
1947 年富山県生まれ。美術家。多摩美術大学名誉教授。1969 年に「美共闘」(美術家共闘会議)を結成、議長を務める。2010 年、東京・秋葉原のアーツ千代田3331 内に多摩美術大学運営のオルタナティブ・スペース「アキバタマビ21」を開設し、プロデューサーを務める(2012 年まで)。第41 回ヴェネツィア・ビエンナーレ、「ユーロパリア・ジャパン'89」(ゲント現代美術館)、「今日の日本」(ルイジアナ近代美術館、デンマーク他巡回)、釜山国際アートフェスティバル、「センチュリー・シティー」(テート・モダン)、越後妻有アートトリエンナーレなど、国内外の展覧会に多数参加。近年の展覧会に「堀浩哉展─起源」(多摩美術大学美術館)、「ミニマル/ポストミニマル」(宇都宮美術館)、釜山ビエンナーレ、「1968年激動の時代の芸術」(千葉市美術館)、「ニューウエイブ現代美術の80年代」(国立国際美術館)など。
◎オープニングパーティ 17:00~
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