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玉田はダンボールを、剥がし紙にした形状・揉み込んだ形態・粘土のようにした状態に変化させながら、先ずは骨格をつくり、肉付けし、皮膚を覆うようにして制作してゆきます。それはダンボールという素材をいかに変化させるかという探究でもあります。着色を一切しない玉田の作品は、多種多様な茶系色の層が複雑に絡み合い、継ぎ接ぎの跡をあえて残す手法は独特な風合いを醸し、まるで木彫のような強度をも持つ仕上がりになります。私たちの目の前に現れたその造形物は、ダンボールという言葉から想像されるイメージや概念を越え、玉田が創り出した世界観として強い説得力をもって立ち現れ魅了するでしょう。
このような素材をそのまま使わずに崩し変化させて作り上げる活動は作家にとって、『新たな再生』というコンセプトで、魂を吹き込むように生き物を創造することでもあると言います。そして、今回はテーマを自身の人生にも重ね合わせ、子育てと昔話から着想を得た「蓮太郎(はすたろう)」なるものを作品として生み出し、ダンボールを素材とした新たな芸術表現に挑みます。本展の出品作である蓮太郎シリーズは、「(蓮の花は)泥が濃いほど大輪を咲かせる」という作家の想いと共に、古紙ダンボールを生命の形に蘇らせ、命や生態系の循環・現代文明との関係性をも示唆し、展開して行きます。玉田が創造する蓮太郎の成長・記憶・再生の物語をぜひお楽しみください。
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