<スケジュールに関するお知らせ>
この度 Gallery OUT of PLACE TOKIO は関智生個展 「Real/Red 赤いさくら」 「青花」 を開催いたします。
本展では、関智生が2004年から制作を続ける、アジアの植生をカドミウムレッドで描いた赤い風景のシリーズ「Real/Red」と、近年平行して新たに取り組んでいる天然群青を用いて描く「青花」との、2つのシリーズを紹介します。
作家ステイトメント
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赤いさくらと「青花」
地域に根差した表現は、世界の人々の共感を得られるか?
Real/Redシリーズは室内でOHPを用い、モチーフにわが国を代表する花、さくらを描いた。一方、「青花(せいか)」と題するドローイングは、実際の風景を目にして制作している。新シリーズ「青花」は、天然岩群青を使用した。理由は、中国人が陶磁器に呉須(ごす)を用いて表現したあこがれの青を、絵画で再現し近づけようと試みたからだ。「青花」という名は、その陶磁器の名称による。
Real/Redシリーズの最近の変化として、「有孔色面」があげられる。これは色面に丸いかたちの孔があり、その孔が色面に対して明度が高く(明るく)なった状態を示す。孔のない色面は画面平面上で中に閉じようとするのに対し、孔を持つ色面は内部に明度の反転が現れ、横に広がろうと働く。初期キュビスムを「明度」という点で、さらに展開させたいと願った。
「青花」のドローイングの額装マットには、金箔が施されている。天然岩群青と金箔の組み合わせは桃山時代の障壁画におおく見られる特徴だが、可動可能な支持体であるかつての絵画には、室内空間を飾る目的があった。この青と金のコンビネーションから、桃山時代の豪華な美意識を表現したい。時代のうねりから生まれた桃山期のそれを、飾るという目的で現代空間に復活させたいのだ。
Real/Redと「青花」二つのシリーズが、同一に展示されることで、赤・青・金という色相の相乗効果はもとより、東西というコンセプチュアルな意味において同時代的でユニバーサルな空間が生まれることを期待する。
文・関智生
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