ART DUCT EXHIBITION #07　湊健雄　虹照明

1階の「Food Lab & 居酒屋らぼ」と喫煙室の間にある「アートダクト」は、快適な分煙空間をつくるエアダクトを活用した展示スペースです。鉄やステンレスではなく、特殊加工されたガラスで周囲を囲み、その中にアート作品を設置することによって、煙草を吸う人も、吸わない人もアートを楽しむことができるユニークな試みです。
コミッション・アート作品の長期展示スペースとして、毎回さまざまなアーティストが作品を制作・展示してきたアートダクト第7弾となる今回は、湊健雄による「虹照明」を展示します。
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東京藝術大学の建築科を卒業し、その後は設計事務所に務め、現在は、なんでもやるをモットーとして、311Fにて、湊健雄事務所を主宰しています。

１級建築士の免許を持ちつつ、住宅や店舗の設計のみならず、内装外装の現場のあらゆる部分を自分で施工したり、照明までも電子部品を集めて自分で組み上げたり、デザイナー・建築家の枠に留まらない創作活動をしています。

アートダクトでは、虹照明を展示いたします。

LEDの光源から、CDなどの光を分散させる媒体を使って、虹色の光を生成しています。今回は、LED電球を使って、天井に虹を発生させました。虹自体もとても綺麗ですが、その光を見上げる行為を通じて、人の感覚や気持ちが良い方向に向かう事をテーマとしています。

学生時代、未来へ思い悩む中、家のベランダから大きな丸い虹を見ました。その虹の綺麗さの前に僕は感動して呆けてしまって、とても穏やかな爽やかな気分になりました。心の中のわだかまりが不思議と消えて、何かを作る事の意味が少し理解出来た気がしました。

その後、働きすぎて体を壊してしまい、気分も落ち込んで、家で寝ている時、ふとそれを思い出しました。虹を見れたら変わるだろう、たまたま見れる虹じゃなく、いつでも見れる虹を家の中に作ろう。周りにいた友人に助けられながら、虹照明の制作にいたって、その虹を部屋で眺めて、また僕は自分を取り戻しました。

そして、これからは、僕が誰かの為に虹を作れたらと思っています。

誰かが少し疲れている時に、この虹を眺めて、少し上を見上げる気分になって、穏やかな爽やかな気分になるように。世界が気高く美しく、もっと慈悲に満ちあふれるように。きっとうまくいくはずです。